関東バス・旧ケイビーバス型式解説 800代

「KK-MJ26HF改,KK-MJ27HL,PA-MK27FH,PDG-AR820GAN,TKG-MK27FHF」


関東バスC801型式写真

中扉の位置がガードレールと合わないとして登場当初から忌み嫌われていた800代であるが、 荻31,荻40専用車としての必要性から延命試験を実施して使用された。

C801「KK-MJ26HF改」
四面道 2012.3.16
(Photo:Ajiwai)

■異端車扱いだった"ダックスフント"。


2000(平成12)年12月、当時の乗車人員減少に伴う車両ダウンサイジング化の一環として、 大型一般車であった3200代置き換え用として投入開始したのがこの800代である。

三菱エアロノーステップミディシリーズの「エアロミディMJ 9mタイプ」は、 ノンステップエリアを最大限確保することをコンセプトとしているため中扉が後寄りに大きくずれているのが最大の特徴であるが、 結果として小型車ながらホイールベースが5m以上もあり、 「小回りが利かない」「停留所でガードレールの切れ目と降車扉位置が全く合わない」等の理由で導入は控えられ、 '00年度に3台、'01年度に4台が投入された後は、'02年度1台、'03年度1台のみ導入という状況となった。

その後2003年新短期排出ガス規制に適合、 国土交通省標準認定仕様への対応に合わせてエアロミディMJ 9mタイプは製造中止、 そして三菱エアロミディMKに移行したため、 2005(平成17)年1月に投入されたK810からは中扉位置が前寄りに移動したモデルの「エアロミディMK:PA-MK27FH」となった。

2007(平成19)年のエアロミディMK製造中止の後、 三菱の中型路線バスは「エアロミディ-S:PDG-AR820GAN」として、 日産ディーゼル工業のスペースランナーRMからOEM供給を受けて生産されるようになり、 三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)/三菱ふそうバス製造(MFBM)の純正車両はメーカーラインナップから姿を消した。 このため2010(平成20)年7月に800代の続番で登場したK814は800代唯一の西日本車体工業の車体を持ち、 同時期に投入された330代(E354~E356)と同等の外観となった。

その後しばらく800代の増備は無かったが、 2011(平成23)年12月7日に三菱ふそうエアロミディが4年振りにモデルチェンジをして発売が再開され、 納入第一号となった京成バスシステムのKS-7315~7317「SKG-MK27FHF」と同型車のE815,E816が、 関東バスでは2012(平成24)年6月に納車された。 ちなみにメーカーラインナップでは型式が「SKG-MK27FHF」となっているが、 2012(平成24)年4月1日に施行の平成24年度税制改正による識別記号の変更に伴い、 「SKG-MK27FHF」はそのまま国土交通省の改正基準における環境性能を満たすということで新・エコカー減税の対象車両, 「低排出ガス認定車」となった。 このため書類上の型式は「TKG-MK27FHF」となっているのが特徴である。

初登場から10年以上が経過した800代であるが、 2008(平成20)年9~10月に五日市街道に配置されていたE804~806が車体更生工事施工と同時にケイビーバス丸山へ転属、 ケイビーバス丸山にいた210代「KC-RP211GSN」を置き換えて、 '08年11月16日より宿02「新宿西口~丸山営業所」がノンステップ車限定ダイヤとなった。

また、2009(平成21)年11月1日からはケイビーバス全路線が関東バスへ移管されたことに伴い、 ケイビーバス丸山に配置されていた全車が関東バスへ移籍することとなり、車両への表記が「K」から「D」へと一斉に変更された。 その後さらに12月に入ると、K→D808,809が今度は青梅街道へ転属、青梅街道にいたC2305,C2306がトレードで丸山へ転属するなど、 動きが一時期激しくなった時期も見られた。

現在は青梅街道に在籍するC801~C803がC820~C822に代替されて同じ800代同士で世代交代が始まったほか、 その後五日市街道では330代初期車の置き換え用として、 E817~E819,E823~E831を追加投入、 そしてC832~C835まで勢力拡大をしたところで生産を終了した。

青梅街道では主に荻31,荻40,(荻30)「荻窪駅~プロムナード荻窪,立教女学院」 と関連する出入庫路線、 五日市街道に在籍する800代は荻58,荻60,(荻53)「荻窪駅~北野,宮前三丁目」 と関連する出入庫路線を担当している。 残りは全て丸山に配置で、 主に宿02「新宿駅西口~丸山営業所」, 池11,(中30,中20)「池袋駅西口~中野駅」と関連する出入庫路線でそれぞれ使用されている。


関東バスC801リア画像 C801 (リア・右側面) 
プロムナード荻窪 2014.5.6

(Photo:Ajiwai)



形態分類

関東バスD806形式写真 800代初期車の804~806は'08年に五日市街道から丸山へ転属した。
D806「KK-MJ26HF改」大久保駅 2014.5.1
(Photo:Ajiwai)

→D806(リア・右側面) 大久保駅 2014.5.14
(Photo:Ajiwai)
ケイビーバスK810形式写真 810より中扉位置が前方へ戻った。
K810「PA-MK27FH」新宿広小路~新宿西口間 2009.3.31
(Photo:Ajiwai)

→D810 (リア・右側面) 新宿西口 2009.12.16
(Photo:Ajiwai)
ケイビーバスK814型式写真 814は800代で唯一、西日本車体の架装となった。
ケイビーバス所属時は関東バスの社紋は無かった。 
K814「PDG-AR820GAN」新宿西口 2009.4.1
(Photo:Ajiwai)

→K814 (リア・右側面) 新宿西口 2009.7.29
(Photo:Ajiwai)
関東バスE815型式写真 815,816は関東バスでは6年振りのエアロミディとなった。 
E815「TKG-MK27FHF」荻窪駅→荻窪電話局間(荻窪四丁目交差点) 2012.7.3
(Photo:Ajiwai)

→E815 (リア・右側面) 荻窪駅南口 2012.7.3
(Photo:Ajiwai)
関東バスE818型式写真 '13年度にはE817~819が登場、 上記E815,E816からマイナーチェンジがされている。 
E819「TKG-MK27FHF」練馬北町陸橋交差点 2014.2.4
(Photo:Ajiwai)

→運転士席直後の窓割付に変更点が見られる。
E819 (リア・右側面) 練馬北町陸橋西交差点 2014.2.4

(Photo:Ajiwai)
関東バスC835型式写真 800代は'16年に投入されたC835が最終号車となった。
'15年度の830以降は前面塗り分けが横スリット入りへ再変更された。
C835「TKG-MK27FHF」荻窪駅北口 2020.2.22
(Photo:Ajiwai)




DETAILS

C801フロント正面
C801リア正面
C801サイドビュー(左側面)
C801サイドビュー(右側面)

D814フロント正面
D814リア正面
D814サイドビュー(左側面)
D814サイドビュー(右側面)

E815フロント正面
E815リア正面
E815サイドビュー(左側面)
E815サイドビュー(右側面)



→800代の車両配置表はこちら


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