惜別、富士重+三菱+3扉の2000代。 関東バス・アーカイブス「味わい」特別企画 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
C2001の除籍直前には、奇しくもC2002と並んで留置される姿が見られた。 青梅街道営業所 2011.4.17 「富士重+三菱+3扉車」というキーワードが並ぶと、 バスファンの間では必ずこの車両が思い浮かんだのではないであろうか。 全国的にみても希少車種として認知され、 関東バス車両の中でもひと際存在感のあったC2001とC2002「U-MP218K」であるが、 C2001は2011(平成23)年4月25日に、 そしてC2002は同年8月9日にそれぞれ除籍となり、 遂に関東バスから姿を消した。 このたび2000代の活躍する姿を記録に留めるため、 1995(平成7)年6月(※2001の納車日は6月8日)に2000代が関東バス青梅街道営業所に到着してから16年間の、 納車から除籍までを未公開画像で綴った"渾身"の特別企画ページを制作したので、 2000代の軌跡をぜひご覧頂きたい。 ■フォトグラフ2000代:除籍前日 C2001が除籍となる前日の2011(平成23)年4月24日(日)、 C2001は西10(西荻窪駅~吉祥寺駅)で最後まで普段と変わらぬ活躍をしていた。
■登場当初の2000代(1995年~) 1995(平成7)年6月8日に突如2000代が登場した。 先に投入されていた3400代や3000代と一見外観は同様に見えたが、 2000代という番台区分が三菱車の証であることを厳然と示していた。
■営業所記号表示前夜(1999年) 1999(平成11)年3月より、 新製配置された600代「KC-RN210CSN」を皮切りに、 関東バス一般路線車の全車に対して社番の前に営業所記号 「A:阿佐谷,B武蔵野,C:青梅街道,D:丸山,E:五日市街道」が表示されるようになったが、 今まで社番の前にあった「一般乗合」表記を撤去して営業所記号に書き換える作業が順次行われた。 2001,2002についても例外ではなく営業所記号「C」が社番の前についてそれぞれC2001,C2002となったが、 「一般乗合」表記を撤去して「C」表記のない、 いわゆる過渡期の状態で一時期運用されていた。
■2000代晩年の光景(~2011年) '00年代に入るとやはり2000代は異端車であったのか、 主に活躍する路線が西荻窪駅発着の各路線と立教線荻40,西20(荻窪駅,西荻窪駅~立教女学院) に限定されるようになった。 使用路線は狭められたが、 晩年も荻31,荻40(荻窪駅~プロムナード荻窪,立教女学院)で荻窪駅に姿を見せる機会は残り、 排気ガス規制が平成元年規制の「U-」であるが延命措置が施されて13年を超えて活躍を続けた。
■C2001が一足先に除籍。 C2001が4月25日午前中の運用を終えて入庫すると、 そのまま除籍へ向けた作業が開始されて、 行先幕や料金機等撤去が行われた。 そして4月27日に帰らぬ旅へ青梅街道営業所を後にした。
■その後C2002が奇跡の延命。 C2001除籍後は、相方を失って一気に老け込むかのようにC2002の運用頻度が激減し、 ゴールデンウィークにはほとんど運用されることなく車庫に留置されていた。 しかし東日本大震災による代替新車の納期遅れにより、 車検期限を迎えたC2002は継続検査を実施、 奇跡的に延命されることとなった。
■フォトグラフ2000代:本当に最後の活躍。 C2002の除籍直前には、主に荻31,荻40(荻窪駅~プロムナード荻窪,立教女学院)や 西10(西荻窪駅~吉祥寺駅)にて運用され、 時折西50(西荻窪駅~井荻駅)でも使用される姿が見られた。 しかし終日の長時間に渡り運用を続ける回数は減少し、 朝ピーク時のみ使用された後に入庫するケースも頻繁に見られた。 また、日によっては運用自体が無い日もあり、 それは引退間近であることを深く印象付けた。 ■そしてC2002も遂に引退。 C2002は8月8日午前中に西02(西荻窪駅~上石神井駅)の運用を終えて、 西01(西荻窪駅~青梅街道営業所)にて入庫するのが最後の営業運転となった。 入庫後は立野橋にある分車庫(B車庫)へ移動し8日はそのまま留置の状態が続いていたが、 9日から除籍へ向けた作業が開始され行先幕や料金機等撤去が行われた。 そして8月11日、C2002は青梅街道営業所を後にしたことにより、 関東バスにおける富士重+三菱+3扉の2000代は遂に過去のものとなった。
■2000代、今後の去就は…。 除籍となった2000代の今後の去就であるが、 C2001が北海道拓殖バスに再就職を果たした。 またC2002についても、 北海道登別市にある日野自動車の中古車置場に持ち込まれた後、 現地の情報によると道南バスへ移籍したとの情報が入った。 現在ではスクール輸送ながら札幌エリアで第二の活躍を開始している。 いずれにしても、 登場から16年が経過した2000代に新たな活躍の場を与えられるということは、 素直に喜びたい。 第二の活躍の場においてこれからも末永く走り続けることを期待したい。 ■徹底解剖・2000代 2000代「U-MP218K」、味わい深い各部ディテールをご覧頂こう。 ※車内の画像など全て許可を得て撮影しております。
→「C2001」社番 →C2001車内画像 →C2001最後部の座席配置 →C2001コックピット →C2002形式写真(フロント) →C2002形式写真(リア) →「C2002」社番 →C2002車内画像 →C2002車内,前方座席の配置状況 →C2002コックピット ■(補稿)2000代が活躍した街 2011(平成23)年7月23日、 C2002の引退に先立ち関東バス株式会社、そして関係する皆様による多大なるご尽力によってC2002の特送が実現、 幸いにして参加する機会を頂いた。 2000代がかつて活躍をしていたが現在では充当されることが無くなった路線を中心に巡り、 近年見ることができなくなっていた各地点とC2002の姿を再現することができた。 その模様をご覧頂きながら、 当時2000代が活躍していた頃の各地点の光景を思い起こして頂けると幸いである。 ※多大なご協力を頂きました関東バス株式会社青梅街道営業所,武蔵野営業所ほか、 関係各位の皆様に心より御礼申し上げます。
■2000代関連のコンテンツ →みんなで綴る2000代。 (読者の皆様ご所蔵の2000代画像をどんどん追加していきます。) →2000代「U-MP218K」の形式解説 (2000代車両解説のページもこの機会に併せてご覧下さい。) →ヘッドライン:C2002除籍関連の記事 (C2002除籍前後のヘッドライン記事と関連画像があります。) →路線解説「青梅街道営業所~立教女学院」 (2000代が立教ループで活躍する姿を収録しています。)
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