関東バス型式解説 1300代

「PKG-RA274MAN, PKG-AP35UM, LKG-AP35FM」


関東バスB1300型式写真

1300代の初号車は「0」から付番された。
営業運転を開始した直後、第五小学校の分車庫に留置中の姿。

B1300「PKG-RA274MAN」
第五小学校 2009.7.27
(Photo:Ajiwai)

■5100代の代替車種として期待された、長尺のワンステップ車。


2000(平成12)年度から2008(平成20)年度まで、関東バスでは100%の比率で導入されていたノンステップ車であるが、 荻窪駅・吉祥寺駅・三鷹駅発着の路線では混雑時の対応能力が従来の3扉車よりも劣るといった現象が発生していた。 このため、定員の多さと混雑時に詰め込みのきく3扉車である3000代・3400代・5100代にNOx除去装置が取り付けられ、 国土交通省の排出ガス適合認定を取った上で使用を継続するといった延命措置が取られていたが、 最後に導入された車両が1995(平成7)年式と軒並み車齢が約15年となり代替時期が迫っていることから、 本格的な後継車両の登場が待ち望まれていた。

こうした状況下において、 関東バスでは2009(平成21)年度よりノンステップ車両のみの導入から混雑対策を重視したワンステップ車の導入も行う方針へと転換し、 特に5100代の後継車種として登場させたのが1300代「日産ディーゼルスペースランナーRA:PKG-RA274MAN」である。

1300代は型式を見てお分かりの通り、 5100代の後継車種としての位置付けを非常に意識した車種選定となっており、 関東バスでは大型ノンステップ車で今まで通常導入されていた短尺「K尺」に対して大型ワンステップの標準尺「M尺」 となっているのが特徴である。 しかし、中扉はメーカーのオプション仕様である4枚折戸は採用されず、 標準仕様である引戸が採用されている。

この1300代の社番については1301からではなく1300からの進番となっており、 00番からの付番となったのは2009(平成21)年6月に導入された1400代「PKG-MP35UMVF」に引き続き2例目であるが、 関東バスにおいては今までには無かったことで極めて異例のことである。

車内においては、混雑時対策のため中扉以降の座席が1人掛けとなって標準仕様からのレイアウト変更がなされ、 立客の安全対策として握り棒が増設され、つり革が最後部座席付近まで設置されている。
(→B1301車内の画像はこちら)

この1300代は、 B1300,B1301が2009(平成21)年7月17日に武蔵野へ納車された直後から整備や乗務員訓練が行われ、 7月23日より営業運転を開始、その後も相次いでB1302~B1305の4台が登場した。

また2010(平成22)年度に入ると、 6月21日には阿佐谷へも1300代が納車され(A1306,A1307)、 その後武蔵野へも追加で投入(B1308,B1309)されるなど合計10台が納入された。

UDトラックスが西日本車体工業への車体架装を2010(平成22)年8月31日をもって委託終了することになり、 それに伴い西日本車体工業が2010(平成22)年10月31日をもって解散という状況となったために、 1310以降は納入される車両型式に変更が発生、従来の「PKG-RA274MAN」から、 三菱ふそうバス製造(MEBM)車体を架装した「PKG-AP35UM」に車種が変更された。 型式は変更されたが、 室内の混雑時対策におけるいわゆる「座席削減仕様」はそのまま引き継がれており、 室内レイアウトは1400代と同等で、 中扉以降の座席は1-1-1-1-4席となった。
(→B1311車内の画像はこちら)

その後、 2010(平成22)年9月1日に継続生産車でも規制の対象となる「ポスト新長期規制」に対応した新型式 「LKG-AP35FM」が5月27日より発売開始となり、 11月16日に納車された1318からはいわゆるLKG-車「LKG-AP35FM」となった。

ただし2010(平成22)年10月29日には、 三菱ふそうトラック・バスとUDトラックスがバス事業統合を断念し、 相互OEM供給についても中止すると発表された。 三菱ふそうトラック・バスからUDトラックスへのOEM供給車である現在の1300代については、 OEM供給の中止と共にUDトラックスからの販売が終了となったため、 既発注分の納車を全て終えた関東バスではB1320をもって投入終了となった。

2018(平成30)年4月には、 車体更生工事の時期が迫っていたB1317を対象に「安全運転訓練車」への改造工事が行われ、 青梅街道営業所に常駐して関東バス管内全域で乗務員訓練を行う姿が見られるようになった。



形式写真

関東バスB1301リア画像 1300代営業初日の姿である。 

B1301 (リア・右側面) 
三鷹駅北口 2009.7.23
(Photo:Ajiwai)
関東バスB1311型式写真 1310~は西日本車体工業の会社解散による車体架装終了に伴い、 導入する車種の変更を行った。  

B1311 「PKG-AP35UM:2010(平成22)年7月製」
吉祥寺駅北口 2010.8.6
(Photo:Ajiwai)
関東バスB1311リア画像 1310~は車体が三菱ふそうバス製造(MFBM)となった。 

B1311 (リア・右側面) 
NTT武蔵野研究開発センタ 2010.7.26
(Photo:Ajiwai)
関東バスB1318形式写真 1318以降はポスト新長期規制適合車となり、 6速ATやISO方式ホイールなどモデルチェンジとなった。

B1318「LKG-AP35FM:2010(平成22)年11月製」 
三鷹駅北口 2011.9.14
(Photo:Ajiwai)
関東バスB1318リア画像 B1318 (リア・右側面) 
三鷹駅北口 2010.11.17
(Photo:Ajiwai)
関東バス安全運転訓練車の型式写真 18年3月には、B1317を安全運転訓練車へ改造した。

安全運転訓練車1[青梅街道]「PKG-AP35UM」
電通裏 2018.10.1
(Photo:Ajiwai)
関東バス安全運転訓練車のリア写真 安全運転訓練車は18年夏頃に東京五輪特別ナンバーへ交換された。

安全運転訓練車1[青梅街道](リア・右側面)
電通裏 2018.10.1
(Photo:Ajiwai)

DETAILS

B1300フロント正面
B1300リア正面
B1300サイドビュー(左側面)
B1300サイドビュー(右側面)

B1310フロント正面
B1310リア正面
B1310サイドビュー(左側面)
B1310サイドビュー(右側面)

B1318フロント正面
B1318リア正面
B1318サイドビュー(左側面)
B1318サイドビュー(右側面)

安全運転訓練車1フロント正面
安全運転訓練車1リア正面
安全運転訓練車1サイドビュー(左側面)



→1300代の車両配置表はこちら


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