茨城交通203J晩年の姿

元関東バス車両「その後」追跡調査

茨城交通へ渡った関東バス車両 2021-2022


茨城オートから編入された元E305が遂に終焉の時を迎えた。
晩年には鯉渕から太田へ転属し、ローカル運用をこなした。

茨城交通「203J」元E305 塩畑→堀の内間(茨城県常陸太田市) 2017.10.17
(画像提供:練馬急行様)


茨城交通では2009(平成21)年に関東バスからの移籍車が初めて登場したが、 移籍から10年を超えるに至り茨城交通からの老朽廃車が徐々に発生する展開となってきた。
移籍後の転属や追加移籍など、 茨城交通内における車両の動きも多くみられるため、 再び茨城交通移籍車についての動きを整理した特設ページをここに開設した。

2022(令和4)年3月現在の最新情報をぜひご覧頂きたい。


※当ページに掲載の画像は、練馬急行様, ハーバーランド様, 阿03の人様よりご提供頂きました。この場を借りて深く御礼申し上げます。


■関東バス元C2306,E6024→茨城交通「2053,2061」


茨城交通2053(元関東バスC2306) 2018(平成30)年度以降は、1車種で1台ずつの4台が事業者間移籍を果たした。
画像の元C2306は鯉渕に配属され、 水戸駅に頻繁に姿を見せるようになった。

茨城交通「2053」(元C2306) 水戸駅北口 2020.3.23
(画像提供:練馬急行様)


→「2053」のリア画像
(画像提供:練馬急行様)

→「2053」の前面・左側面
(画像提供:練馬急行様)
茨城交通2053(元関東バスC2306)広告付き仕様 2053号車は中扉の戸袋窓部分が全面広告が貼られるようになった。

茨城交通「2053」(元C2306) 水戸駅北口 2022.8.24
(画像提供:練馬急行様)
茨城交通2061(元関東バスE6024) 元E6024代も元C2306と同時期に茨城交通へ移籍した。

茨城交通「2061」(元E6024) 水戸駅北口 2020.3.23
(画像提供:練馬急行様)


→「2061」のリア画像
(画像提供:練馬急行様)

2018(平成30)年度以降も関東バスから茨城交通へじわじわと移籍が進み、 12月に関東バスを除籍となった元C2306「KK-MK27HM」→(水戸200か20-53)が転用改造を経て 2019(平成31)年4月から第二の活躍を開始したほか、 同じく12月に除籍されたE6024「KL-JP252NAN改」→(水戸200か20-61)も元C2306と同時期に活躍を始めた。

外部塗装はもちろん茨城交通仕様に変更されたが、車内は関東バス時代の原形を留めており、 かつてJR東日本と共通デザインだった優先席のステッカーやモケット柄など、 ひと目で元関東バス車両であることが判る状態だ。

元C2306「2053」は鯉渕営業所、元E6024「2061」は那珂湊営業所にそれぞれ配属され、 いずれも水戸駅周辺の市内路線を中心に運用されている。


■関東バス元D7007,B1140,A1145,E348,A1146,B1151→茨城交通「2124,2146,2172,2202,2223,2234」


茨城交通2124(元関東バスD7007) 元7000代はほとんどが北海道拓殖バスへ移籍したが、 元D7007が唯一茨城交通へ移籍となった。
窓下の塗り分けが白色のみで、らくがきバスに対応した仕様とみられる。

茨城交通「2124」元D7007 赤塚駅前 2020.4
(画像提供:ハーバーランド様)
茨城交通2124(元関東バスD7007)リア画像 「2124」のリア姿。
種車は非常口が後方に移動した日野レインボーのマイナーチェンジ版である。

茨城交通「2124」元D7007 水戸駅北口 2020.3.23
(画像提供:練馬急行様)
茨城交通2124(元関東バスD7007)らくがきバス仕様 2124号車はその後「らくがき」が追加された。

茨城交通「2124」元D7007 茨大前営業所 2022.8.24
(画像提供:練馬急行様)

2019(平成31/令和元)年度に入ると、 7月に関東バスを除籍となった元D7007「PK-HR7JPAE」→(水戸200か21-24)が移籍し、 茨城交通へ移籍した唯一の元
7000代となった。 また8月には元B1140「KL-UA452KAN改」→(水戸200か21-46)が追って茨城交通へ移籍したが、 これが関東バスから初めて大型車が移籍した事例となった。

元D7007は茨大前営業所に配属されて2020(令和2)年1月から、 元B1140は大子営業所に配属となり同年3月から相次いで運用を開始したが、 大子に配属された元B1140の方は元K603「KC-RN210CSN」と共に、 2019(令和元)年10月の台風19号により袋田~常陸大子間が不通であるJR水郡線の代行輸送「上小川~常陸大子」駅間にて主に使用されてきた。 ただし水郡線が2021(令和3)年3月27日に全線で復旧したことから、 元1100代である大型車の今後が注目される。


茨城交通2202(元関東バスE348) 中型車の元330代は今まで旧日立電鉄交通サービス仕様はみられたが、
茨城交通色は初となる。

茨城交通「2202」元E348 水戸駅北口 2022.3.29
(画像提供:練馬急行様)

→「2202」のリア姿。
茨城交通「2202」元E348 水戸駅北口 2022.3.29
(画像提供:練馬急行様)
茨城交通2202(元関東バスE348)前扉ステップのLED照明 「2202」前扉のステップ部にLED照明が追加された。

茨城交通「2202」元E348 水戸駅北口 2022.3.29
(画像提供:練馬急行様)
茨城交通2223(元関東バスA1146) 元1100代の本格的な引退に伴い、茨城交通へも5台がやってきた。

茨城交通「2223」元A1146 水戸駅北口 2022.3.29
(画像提供:練馬急行様)

→「2223」のリア姿。
茨城交通「2223」元A1146 水戸駅北口 2022.3.29
(画像提供:練馬急行様)
茨城交通2223(元関東バスA1146)ラッピング仕様 2223号車はその後ラッピング仕様化された。

茨城交通「2223」元A1146 茨大前営業所 2022.8.24
(画像提供:練馬急行様)

→「2223」ラッピング仕様のリア姿。
茨城交通「2223」元A1146 水戸駅北口 2022.8.24
(画像提供:練馬急行様)
茨城交通2234(元関東バスB1151) B1151の移籍で元1100代の導入は一段落となるが、
これから除籍が本格化する元1200代も導入されるか注目される。

茨城交通「2234」元B1151 水戸駅北口 2022.3.29
(画像提供:練馬急行様)

→「2234」のリア姿。
茨城交通「2234」元B1151 水戸駅北口 2022.3.29
(画像提供:練馬急行様)




■関東バス元E6023,E347,A1139,E346→茨城交通「1999,2121,2156,2158」


茨城交通1999(元関東バスE6023) 18年に日立電鉄交通サービスへ移籍した元E6023だが、 19年5月1日に茨城交通へ吸収合併されて茨城交通日立南営業所へ籍を置くこととなった。
外観は日立電鉄交通サービス時代のまま存置されている。

茨城交通「1999」元E6023 日立南営業所 2021.3.28
(Photo:Ajiwai)
茨城交通1999(元関東バスE6023)ラッピング仕様 1999号車はその後ラッピング仕様となった。

茨城交通「1999」元E6023 日立南営業所 2022.8.24
(画像提供:練馬急行様)

→「1999」ラッピング仕様のリア姿。
茨城交通「1999」元E6023 日立南営業所 2022.8.24
(画像提供:練馬急行様)

2018(平成30)年7月に関東バスから除籍された「1999」元E6023「KL-JP252NAN改」→(水戸200か19-99)は、 JR常磐線大甕駅~日立駅エリアに路線網を持つ日立電鉄交通サービスへ移籍したが、 日立電鉄交通サービス自体が2019(令和元)年5月1日付で茨城交通へ吸収合併された。 このため現在では名称変更された茨城交通日立南営業所にそのまま在籍している。

「1999」移籍当初は側面に「HITACHI DENTETSU」のロゴがみられたが、 吸収合併に伴い表記が消されている。 また吸収合併後にも元E347「PB-RM360GAN」→(水戸200か21-21), 元A1139「KL-UA452KAN改」→(水戸200か21-56), E346「PB-RM360GAN」→(水戸200か21-58)が日立南営業所へ移籍したが、 これら3台はいずれの旧日立電鉄交通サービスの塗色を纏い、 茨城交通の他営業所へ配属された車両と異なる点が特筆される。 また、元E6023「1999」と元E347「2121」は前面の「HD」ロゴマークが存置されているが、 元A1139「2156」,E346「2158」はロゴマークは無く、代わりに「ノンステップバス」「なかのり」と表記されるようになった。

茨城交通2158(元関東バスE346) 画像の元E346は茨城交通へ吸収合併後の移籍だが、 外観塗色は日立電鉄交通サービス仕様のまま登場した。

茨城交通「2158」元E346 大甕駅西口 2021.3.28
(Photo:Ajiwai)
茨城交通2158(元関東バスE346)リア画像 「2158」のリア姿。
旧日立電鉄交通サービスの塗色となる元関東バスは計4台となった。

茨城交通「2158」元E346 大甕駅西口 2021.3.28
(Photo:Ajiwai)


DETAILS

元E6023「1999」

→「2009」フロント面
(上記の画像:Ajiwai)

元E346「2158」

→「2158」フロント面
→「2158」リア面
→「2158」サイドビュー(左側面)
→「2158」サイドビュー(右側面)
(上記全ての画像:Ajiwai)



■2022年現在の最新動向

2008(平成20)年度に茨城オートへ移籍し、 2010(平成22)年6月1日のバス事業譲渡により茨城交通へ編入された203J(元E305)だが、 水戸市街に投入されるノンステップ化の波に押される形で2017(平成29)年に鯉渕から太田へ転属した。
そして2020(令和2)年2月には遂に老朽化により茨城交通から除籍された。 203Jは関東バス中型車の特徴だった前後扉仕様を持つ最後の車両で、 同車の除籍により関東バスの系譜をもつ前後扉仕様が見納めとなった。

一方、2009(平成21)年度に移籍した元
1510代のうち、 大子営業所に所属していた元A1514「1043」,A1515「1046」が除籍となった。

2020(令和2)年度に入っても移籍車両は相次ぎ、 旧なかのん用として新製され、 晩年を荻窪病院シャトルバスで使用された156「PA-ME17DF」が移籍するなど、 移籍車種の多様化が進んでいる。

近年の話題として、 2019(令和元)年5月1日より日立電鉄交通サービスの事業を引き継ぐこととなり、 日立電鉄交通サービス日立南営業所が茨城交通日立南営業所となった。 このことに伴い、 関東バスから日立電鉄交通サービスへ移籍した元E6023「KL-JP252NAN改」(水戸200か19-99)がそのまま茨城交通へ引き継がれたほか、 19年5月1日以降に移籍した元E347,A1139,E346についても旧日立電鉄交通サービスの塗色で登場している。


茨城交通1047(元関東バスA1512) 09年度に移籍したグループである元A1512。
画像の元A1512は17年に行先表示器のLED化改造が行われた。

「1047」元A1512 太田営業所 2017.10.17
(画像提供:練馬急行様)
茨城交通1158(元関東バスK603) 関東バスからロイヤル交通を介して茨城交通へやってきた元K603。
現在では大子営業所に転属し活躍している。

茨城交通「1158」元K603 大宮営業所 2017.10.17
(画像提供:練馬急行様)
茨城交通1037(元関東バスE311) 最近になって行先表示器のLED化が行われた元E311。

茨城交通「1037」元E311 水戸駅北口 2021.3.28
(Photo:Ajiwai)
茨城交通1039(元関東バスE312) らくがきバス仕様の元E312は、デザインが変更されていた。

茨城交通「1039」元E312 桜川車庫 2022.8.24
(画像提供:練馬急行様)
茨城交通1683(元関東バスA906) 元A906は中扉の戸袋窓部分に全面広告が貼られた。

茨城交通「1683」元A906 赤塚駅前 2022.8.24
(画像提供:練馬急行様)




■茨城交通への移籍車両一覧

事業者間移籍により茨城交通へ渡った元関東バス車両について、 当サイトでは移籍車が登場してからその都度情報をお伝えしてきたが、 車両数が多くなってきたためここに全移籍車を整理してみた。

事業者間移籍から時間が経過し、 一部は除籍も始まり安泰とはいえない状況のため、 記録に収めたい方は早めに撮影することをお勧めする。


■2006(平成18)年度移籍車 ※関東バス→茨城オート(06)→茨城交通(10.6.1)

E206 → 181J(水戸200か·7 01) 鯉渕 ※除籍済

■2008(平成20)年度移籍車 ※関東バス→茨城オート(08)→茨城交通(10.6.1)

E305 → 203J(水戸200か·9 24) 鯉渕→太田 ※除籍済

■2009(平成21)年度移籍車

A1511→(水戸200か10-35) 茨大前→那珂湊→大宮
E311 →(水戸200か10-37) 茨大前→鯉渕→浜田
A1513→(水戸200か10-38) 勝田→那珂湊→大子
E312 →(水戸200か10-39) 浜田  ※らくがきバス仕様
E313 →(水戸200か10-41) 太田
A1514→(水戸200か10-43) 大子  ※除籍済
A1515→(水戸200か10-46) 大子  ※除籍済
A1512→(水戸200か10-47) 太田→大子

■2011(平成23)年度移籍車 ※関東バス→ロイヤル交通(09.3)→茨城交通(11)

K603 →(水戸200か11-58) 大宮→勝田→鯉渕→大子

■2016(平成28)年度移籍車 

A906 →(水戸200か16-83) 勝田

■2017(平成29)年度移籍車 

A909 →(水戸200か19-00) 浜田

■2018(平成30)年度移籍車

E6023→(水戸200か19-99) 日立南 ※日立電鉄交通サービス→茨城交通(19.5.1)
C2306→(水戸200か20-53) 鯉渕  ※19年4月運用開始
E6024→(水戸200か20-61) 那珂湊 ※19年4月運用開始

■2019(平成31/令和元)年度移籍車

E347 →(水戸200か21-21) 日立南 ※日立電鉄交通サービス色
D7007→(水戸200か21-24) 茨大前 ※らくがきバス仕様,20年1月運用開始
B1140→(水戸200か21-46) 大子  ※20年3月運用開始
A1139→(水戸200か21-56) 日立南 ※日立電鉄交通サービス色
E346 →(水戸200か21-58) 日立南 ※日立電鉄交通サービス色

■2020(令和2)年度移籍車

A1145→(水戸200か21-72) 勝田  ※らくがきバス仕様 
156 →(水戸200か21-81) 大子 
E348 →(水戸200か22-02) 茨大前

■2021(令和3)年度移籍車

A1146→(水戸200か22-23) 茨大前  
B1151→(水戸200か22-34) 茨大前  


茨城交通203J最後の活躍1 旧茨城オート色の203Jが20年2月にとうとう除籍となった。
長らく鯉渕に配置されていたが、晩年は太田に転属した。

203J(元E305) 前沢(茨城県常陸太田市) 2017.10.17
(画像提供:練馬急行様)
茨城交通203J最後の活躍2 旧茨城オート色の元関東バス車両は203Jの除籍をもって全廃となった。
関東バス中型車の特徴だった前後扉の形態も、203J除籍により見納めとなった。

203J(元E305) 前沢(茨城県常陸太田市) 2017.10.17
(画像提供:練馬急行様)


→203Jのリア画像。
(画像提供:練馬急行様)





■茨城交通移籍車関連のコンテンツ

→茨城交通へ渡った関東バス車両
転用当時の車両資料や画像をまとめた特設ページです。

→茨城交通へ渡った関東バス車両(茨城オート編)
茨城オートから統合先の茨城交通へ再移籍した元関東バスについての専用ページです。

→茨城交通へ渡った関東バス車両 2014
茨城交通へ移籍してから5年経過後、
2014年12月時点の状況についてコンテンツを追加です。

→茨城交通へ渡った関東バス車両 2016-2018
2016-18年の追加移籍車情報のほか、
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016開催で元関東バス車両が大集結などを追加。

→茨城交通へ渡った関東バス車両,詳細ルポ「310代編」
元310代全車の転用改造中を追った貴重な画像があります。

→茨城交通へ渡った関東バス車両,詳細ルポ「1510代編」
元1510代についても同様に特別企画ページを開設し、転用された全車の画像を掲載しました。

→元600代移籍の記録
元600代についても多重移籍により茨城交通へ渡った車両があります。



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関東バス・アーカイブス「味わい」では、関東バスを除籍となり第二の活躍をする車両の写真を幅広く募集しております。
画像や情報のご提供については情報提供のページからよろしくお願いします。



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