ばんけい観光バスの元1095

元関東バス車両  「その後」追跡調査

ノスタルジック編



225台もの台数が投入されて関東バスの一時代を築いたが、当時の全車冷房化の余波で多くが短命に終わった旧1000代。
しかし移籍した車両は数少ない。 

ばんけい観光バス:元1095「U20L」
(画像提供:遠藤知生様)



■関東バス旧5000代「K-U31L」→ルネスかなざわ送迎用バス



元関東バス旧5000代→ルネスかなざわ送迎用バス0 ルネスかなざわの送迎バス仕様となっていた元関東バスの5000代。
画像は送迎バスからも運用離脱した後の姿とみられる。

旧:ルネスかなざわ駐車場 '90年代前半
(画像提供:遠藤知生様)


富士重3Eボディを架装した関東バスの
元5000代初期車「5001~5030」は、 1980~82(昭和55~57)年に投入され1991~94(平成3~6)年に関東バスから除籍となりましたが、 このなかから1台が石川県金沢市にかつて存在していた複合型レジャー施設 「アクアリゾート ルネスかなざわ」の金沢駅からの送迎バスとして活躍していた時期がありました。

掲載の画像は再登録後のナンバーが無い状態で、 ルネスかなざわ駐車場に留置中の姿です。 錆びが発生している車両の状態から、 おそらく送迎バスから運用離脱した後の姿かと想像されますが、 この車両の所属先がどこであったかなど詳細は不明です。

元5000代は3扉車であることから、 大量の乗客を手早く捌くことが可能な利点に着目され、 送迎バスとして活路を見出されたようです。 しかし'90年代中盤には、 送迎バスの業務を受託していた北鉄バス(北陸鉄道)の観光車両「K-MS615S」に置き換わっており、 活躍期間はあまり長くなかったものと推察されます。

ちなみにルネスかなざわは2008(平成20)年10月に閉園、 翌2009(平成21)年にはユナイテッドシネマが入るシネコン施設を除く温浴施設全体が解体となったため、 全てが過去のものとなってしまいました。




■関東バス旧5000代「K-U31L」→東京空港交通「890」



元関東バス旧5000代→東京空港交通890 元関東バスの少なくとも6台が成田空港のランプバスとして活躍していた。

東京空港交通「890」
(画像提供:遠藤知生様)


1981(昭和56)年に投入され1992(平成4)年に関東バスを除籍となった、 富士重3Eボディを架装した
元5000代のグループから、 少なくとも6台が成田空港のランプバスとして活躍していた時期がありました。

東京空港交通に移籍した元関東バス車両の存在については、 ご存知の方も多いかと思われますが、 実際にあのオレンジのエアポートリムジン塗色を纏った画像を見る機会は、 今まであまり無かったかもしれません。

掲載の画像は航空局のナンバーが無く、 自家用ナンバーが付いた姿となっていますが、 これは実際にランプバスとして使用される前の一時的な姿かと想像されます。

3扉車である特長を活かし、 ランプバスとして第二の活躍を見出された元関東バス車両でしたが、 今では古く懐かしい光景となってしまいました。




■関東バス6119「U20H」→上毛電鉄バス「139」



上毛電鉄バス(元6119) 元6100代が他社へ移籍した数少ない例である。

上毛電鉄バス「139」 赤坂車庫 1992.1.6
(画像提供:平井 恵様)
上毛電鉄バス(元6119) 後方からみた外観。3扉車であるが中扉の行燈は表示が白く、締切扱いのようだ。

上毛電鉄バス「139」(リア) 赤坂車庫 1992.1.6
(画像提供:平井 恵様)


関東バスでは1987(昭和62)年に冷房化率100%を達成しましたが、 そのため車両代替を級ピッチで進めた影響で、 当時主力だった非冷房の1000代「U20L」,6100代「U20H」は車齢が8年程度で軒並み除籍となっていました。

そうした事情により、 当時は車齢の若い車両が大量に放出されたわけですが、 他社へ移籍した事例はごく僅かに留まりました。

特に6100代の移籍事例はほとんど無かったため、 他社で活躍する姿を捉えた写真は全くありませんでしたが、 このたび1986(昭和61)年に関東バスを除籍となり、 上毛電鉄バスへ移籍した元6100代の写真をご提供頂きましたので、 ここに紹介させて頂きます。

上毛電鉄バス(※バス部門は既に撤退)に移籍したのは、 手元の資料によりますと五日市街道営業所に新製配置され、 その後武蔵野営業所に転属した1978(昭和53)年製の元6119と思われます。 登録ナンバーから推測すると、 関東バスを除籍してそれほど期間が開くことなく移籍したものと考えられます。

日野の車両ばかりが配置されていた当時の上毛電鉄バスに、 なぜ唐突に日産ディーゼルの車両が、 しかもなぜ1台のみ納入したかなど詳細は一切不明です。

中扉の戸袋内部は、 関東バス時代の赤色塗装がそのまま残っていたということです。

大変貴重な画像を含め、 貴重な情報をお寄せ頂きましてありがとうございました。




■関東バスE207「U-RP210GAN改」→大島バス「001」



元関東バスE207の大島バス001 大島バス「001」(元関東バスE207) 元町港 2009.11.9
(画像提供:E3248様)
元関東バスE207の大島バス001リア画像 大島バス「001」(リア) 送信所前 2009.11.9
(画像提供:E3248様)


1991(平成3)年に五日市街道営業所へ導入され、
旧6100代「U20H」や五日市街道で名物の日野車であった 旧7100代「K-RD301」を全廃へ追いやった 200代「U-RP210GAN改」のうち、 E207が2006(平成18)年7月に関東バスから東海汽船の関連会社である大島旅客自動車(大島バス)へ移籍、 001(品川200か15-37)として第二の活躍を開始しました。

この車両は再整備にあたり黄色一色へ変更されましたが、 車内は関東バス時代とほぼ変わりなく、ゴミ持ち帰りステッカーも五日市街道営業所の表示が残されており、 関東バスの趣を味わうには十分でしょう。

乗務員さんの話しでは島内は未だ狭い道も有り、 大型バスではすれ違いも困難な場所でもこのバスなら大丈夫ですよ、 と評判は上々のようです。

伊豆大島へ移籍ということは品川ナンバーということで、これも言わば当然のことではありますが、 元関東バスの車両が移籍後に品川ナンバーで登録されるというこの違和感が非常に魅力的です。

その後「001」は大島バスからも除籍となったとの情報を練馬急行様より頂きました。

(情報提供,画像提供:E3248様, 練馬急行様)




■関東バスE301,E302「U-RM210GSN」→大島バス「002,003」



元関東バスE301の大島バス002 大島バス「002」(元関東バスE301) 大島町 2009.11.10
(画像提供:E3248様)
元関東バスE301の大島バス002リア画像 大島バス「002」(リア) 大島町 2009.11.10
(画像提供:E3248様)
元関東バスE302の大島バス003 大島バス「003」(元関東バスE302)大島町 2009.11.10
(画像提供:E3248様)


1994-95(平成6~7)年に五日市街道営業所へ導入され、
旧100代「K-RM80G」を置き換えた300代のうち、 1994(平成6)年式のE301,E302が2006(平成18)年12月に関東バスから除籍となりましたが、 この2台が大島旅客自動車(大島バス)へ移籍、 002(品川200か16-57),003(品川200か16-58)として2007(平成19)年1月に登録されました。

この2台よりも先に大島バスへ移籍した、上述の001(品川200か15-37)と同様に、 再整備にあたり黄色一色へ変更されましたが、関東バス特有の仕様であった前後扉などの基本仕様は当然そのまま残されており、 300代のうち、E301,E302のみの仕様であったナンバー台座も相まって、種車の特定は比較的容易です。 ただし島内では前扉のみによる乗降で、残念ながら後扉は開閉可能なものの、使用していない状況のようです。

この2台の移籍により、関東バスから大島バスへ移籍した車両は計3台ということになりました。

その後「002,003」は大島バスからも除籍、 遂に関東バスからの移籍車は全廃になったとの情報を練馬急行様より頂きました。

(情報提供,画像提供:E3248様, 練馬急行様)




■関東バスD219「KC-RP211GSN改」→北海道中央バス「2598」



北海道中央バス2598(元関東バスD219) 元関東バスD219が中央バスに移籍した。

北海道中央バス「2598」(元D219) 新川営業所(札幌市北区) 2013.10.7
(画像提供:AVE様)
北海道中央バス2598(元関東バスD219) 移籍直後、麻67系統に充当されて宮の沢駅に現れた「2598」。

北海道中央バス「2598」(元D219) 宮の沢駅 2010.1.8
(画像提供:ATB MODELS様)
北海道中央バス2598(元関東バスD219)リア 未掲載だったリア画像の撮影に成功した。
撮影当日は麻05「地下鉄麻生駅~屯田6条12丁目」の運用に入り、
屯田6条12丁目で長時間留置された後、 麻04「屯田6条12丁目~札幌駅北口」に入っていた。

北海道中央バス「2598」(元D219)リア側 札幌駅北口 2014.10.29
(画像提供:kbb12345様)


関東バスからは全廃となり、 全国へ散らばった
210代「KC-RP211GSN改」ですが、 丸山営業所にいたD219が北海道へ渡り、 北海道中央バスの車両(札幌200か25-98)として2009(平成21)年12月末より新たに活躍を開始しました。

中央バスへ渡った元関東バスD219の今後の末永い活躍が期待されましたが、 2016(平成28)年2月に中央バスから運用離脱したとの情報が入っており、 新車に代替されて除籍となった模様です。

中央バスを除籍となった「2598」は、 16年11月末現在では登録番号と外観はそのままでニセコバスへと移籍していることが判明しました。

実際に岩内にて第三の活躍を始めたという目撃情報も入りましたが、 更に、現在ではニセコバスからも除籍となったとの情報が追加で入りました。

→元210代の種車特定に関しては、北原夏鈴様より情報提供を頂きました。ありがとうございました。
→「2598」の中央バス除籍とニセコバスへの移籍に関しては、七色いんこ様より情報提供を頂きました。ありがとうございました。


■北海道中央バスへ移籍後の画像と情報の詳細については

→北海道へ渡った関東バス車両(中央バス編)

・専用ページを更新しました(2016.3.24更新)。詳細情報を追加しましたので、ぜひご覧ください。
・関東バスから移籍した中央バス車両に関する皆様からの画像や情報は、現在も引き続きお待ちしております。
・今まで未掲載であったリア画像は、kbb12345様に画像提供を頂きました。ありがとうございました。



■関東バスD8002「U-HT2MLAH」→岩手県交通「1351」



元関東バスD8002の岩手県交通1351 岩手県交通「1351」 滝沢営業所 2009.6.27
(画像提供:ak-3cp様)
岩手県交通1351リア画像 岩手県交通「1351」 滝沢営業所 2009.6.27
(画像提供:ak-3cp様)


1994-95(平成6-7)年に導入された関東バス初の低公害車である
8000代のうち、 1995(平成7)年式のD8002が2008(平成20)年7月に関東バスから除籍となりましたが、 岩手県交通塗装となって移籍したことは大きな話題となりました。

この車両は再整備にあたり国際興業系列の塗色変更「蛍光緑色のバージョン」が行われましたが、その他の外観はほぼ原型を留めており、 関東バスに導入された最後の3扉車である同車の特徴はそのままに、今も種車の面影を残しています。

岩手県交通にて2009(平成21)年秋よりようやく第二の活躍を始めた元D8002でしたが、 2010(平成22)年12月には早くも除籍となってしまった模様で、 今後まだどこかで走る機会があるのか気になるところです。


■その他詳細の画像は

→「うわ言2」(ak-3cp様のブログ)

車両の詳細について記述がありますので、ぜひチェックしてみてください。




■はなバス「クセニッツ・CITY-III」→会津バス「病院循環バス ひまわりくん」



元はなバスの病院循環バスひまわりくん 病院循環バス「ひまわりくん」 若松営業所 2010.3.7
(画像提供:E3248様)


元はなバスひまわりくんと元K602 元はなバスと元K602が並んでいた。 若松営業所 2010.3.7
(画像提供:E3248様)


2009(平成21)年4月1日から2010(平成22)年3月31日まで、 期間限定で会津バスへ運行委託されていた実証実験路線である「病院循環バス ひまわりくん」に充当の車両が、 元はなバスのクセニッツ・CITY-IIIであることが判明しました。

その後、2010(平成21)年4月1日から2011(平成23)年3月31日まで実証実験が延長されて、 クセニッツ・CITY-IIIも引き続き使用されましたが、 2011(平成23)年4月1日以降は専用塗装となった日産ディーゼルRNワンステップ路線バスに代替されました。

→車両の動向や種車特定に関する情報のご提供を募集しております。

会津バスに移籍した元600代と元はなバス車両は、それぞれケイビーバス丸山営業所・武蔵野営業所が常駐場所となっていたため、 顔を合わせることは原則ありませんでしたが、 一応「元同僚」同士の並びが実現したことになります。






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