関東バス路線解説
荻60「荻窪駅~宮前三丁目」




関東バス荻60系統大宮前体育館E338
旧荻窪小学校跡地に建設された大宮前体育館に停車中のE338。
大宮前体育館は荻60随一の利用者数を誇る停留所である。
E338 大宮前体育館 2014.5.12

(Photo:Ajiwai)


■関東バスで最多回数を誇る高頻度路線。


荻60「荻窪駅~宮前三丁目」は、 荻窪駅南口から交通空白地帯となっている宮前付近の五日市街道を経由してまた荻窪駅へ戻ってくる循環路線である。

環八通りの荻窪二丁目交差点を右折すると、 そこから先は五日市街道以外の道はほぼ全ての区間で住宅街の狭隘道路を抜ける経路設定となっており、 平日朝は3分ヘッド、日中でも6~7分ヘッドということで非常に便利なダイヤ設定となっている。 このため周辺住民の生活の足として利用者が非常に多く、 狭隘道路にも関わらず極めて高密度な運転が行われているのが特徴的な路線である。

かつては荻61「荻窪駅~宮前三丁目~西荻窪駅」の途中折り返しの位置付けで交互に運行されていたが、 宮前三丁目~西荻窪駅間の利用者低迷により荻61は2004(平成16)年10月15日限りで廃止となり、 荻61の運行回数を吸収する形で荻60の運行回数は増加していった。

2004(平成16)年10月16日からは利用者低迷により荻61と同時に一度廃止となった 荻71「荻窪駅~神明中学口~西荻窪駅」 と路線を繋げる形で新設となった 荻62「荻窪駅→宮前三丁目→西荻窪駅→神明中学口→荻窪駅(午前、午後は逆回り)」 と平行して運行された時期もあったが、 これも2008(平成20)年9月15日限りで廃止、 また荻62の運行回数を吸収という形となって、 結果として単独路線としては関東バスで最も運行回数の多い路線となった。

現:大宮前体育館が建設される前、旧:荻窪小学校時代の光景。
ここは特に利用者が多く、 平日朝は3分ヘッドにも関わらずバス停には行列が出来ていた。
E361 荻窪小学校(現:大宮前体育館) 2011.2.7

(Photo:Ajiwai)


これだけ高頻度運行が行われている路線で、 今まで深夜バスの設定が無かったことが不思議に思われるが、 2010(平成22)年9月27日より平日の1回のみであるものの、 2335発の深夜バスが新たに運行されるようになった。

この荻60の出入庫経路としては2つあり、 車両のやり取りを行う一つ目の経路は荻53「荻窪駅~五日市街道営業所」であるが、 「宮前三丁目~五日市街道営業所」も存在している。

五日市街道営業所から宮前三丁目方面へ出庫する場合は、 そのまま五日市街道を西進することで春日神社付近で荻60の本路線と合流するが、 注目すべきは入庫便である「宮前三丁目→五日市街道営業所」である。

宮前三丁目は循環路線であるために便宜的に設定された終点となっているが、 荻窪小学校→春日神社→宮前三丁目→荻窪小学校は途中の一方通行路を経由する片道運行の経路となっているために、 循環経路の起点である荻窪小学校を出発したバスはそこで 通常は荻60荻窪駅行へと行先表示を変更してそのまま運行を続行する。

そこで入庫便の場合であるが、荻窪小学校を出発したバスは、 荻窪駅へ向かわないことを示す必要があることから「五日市街道営業所」へと行先表示を変更するのであるが、 実際は宮前三丁目経由五日市街道営業所行のため、 一度「宮前公園」を通過し宮前三丁目へ向かう。 そしてそこから更に循環経路を通って入庫するのだが、 その際に途中の「宮前公園」をもう一度通過することになるのだ。

宮前公園停留所においては、 宮前三丁目経由五日市街道営業所行が一度通過した後に、 宮前三丁目を一度経由してきた五日市街道営業所行がまたやってくるため、 もし営業所方面へ行こうとして最初にやってくる「宮前三丁目経由五日市街道営業所行」に乗ってしまった場合は、 宮前三丁目を経由してまた同じ場所に戻ってから営業所方面へ向かうといった特異な状況となっている。

現地の時刻表にはなぜか最初にくる「宮前三丁目経由五日市街道営業所」のみが記載されているが、 実際は8~9分後にやってくる2週目の時刻表に記載の無い「五日市街道営業所」行きに乗った方がよいことになる。

ちなみに関東バスの公式ホームページにある時刻表には、 2回やってくる五日市街道営業所行の時刻が2回共に掲載されているため、 もし興味のある方は確認してみてはいかがであろうか。

荻60で形式写真が一番きれいに撮影できるのがこの荻窪二丁目交差点である。

E362 荻窪四丁目(荻窪二丁目交差点) 2009.11.8
310代が荻60に珍しく充当された当時の行先幕表示。

E313 荻窪四丁目(荻窪二丁目交差点)2009.4.27
かつては6100代「U20H」などの大型車も当たり前のように充当されていた。

6148[五日市街道] 荻窪四丁目(荻窪二丁目交差点)1989.11.26
210代が晩年に荻60に稀に充当されたが、その際のリア表示。

E216 荻窪駅南口 2009.2.5

H22.9.27より深夜バスが運行されるようになった。画像は運行初日の姿。

E346 荻窪駅南口 2010.9.27
荻60からの入庫便は、荻窪小学校出発後に「五日市街道営業所」表示となるが、
実際にはその後宮前公園を2回通過した後に入庫となるのが非常に興味深い。

(宮前公園には「宮前三丁目経由五日市街道営業所」行の8~9分後に、同じ車両の「五日市街道営業所」行がもう一度やってくる。)

E353 荻窪小学校→宮前公園間 2012.1.22
宮前付近のループを2週目、上の画像の約9分後である「五日市街道営業所」行。

E353 荻窪小学校→宮前公園間(荻窪小学校北交差点) 2012.1.22





荻60の運行について
(荻窪駅南口基準:H26.11.29改正)

運行回数

(H22.9.27改正)
平日177回+(深夜バス1回), 土曜135回, 日祭143回
(H25.9.20改正)
平日182回+(深夜バス1回), 土曜135回, 日祭143回
(H26.11.29改正)
平日183回+(深夜バス1回), 土曜135回, 日祭143回

始車:0631(平日), 0632(土曜・日祭)
終車:2310(平日), 2335(平日深夜バス), 2305(土曜・日祭)

運行間隔

(H26.11.29改正)
朝(平日)3(3~6)分, (土曜)7(5~7)分, (休日)7(6~7)分
昼(平日)6分, (土曜)7分, (休日)6(6~7)分
夕(平日)5(5~6)分, (土曜)7分, (休日)7(6~7)分

※朝は7~9時台, 昼は10~16時台, 夕は17~19時台としています。
※運行間隔は最頻値、カッコ内は当該時間帯の最大・最小運行間隔を示しています。
※H25.2.17より「日祭」ダイヤは「休日」ダイヤへ呼称変更となりました。



荻60の出入庫路線

荻53荻窪駅~五日市街道営業所
宮前三丁目~五日市街道営業所 (荻60-1)

荻60関連の詳細路線図はこちら



経由する停留所名

※リンクのある停留所名をクリックすると画像を見ることができます。
※同じ停留所でも宮前三丁目方面、荻窪駅方面で別画像に分けています。


荻60荻窪駅→宮前三丁目

荻窪駅南口 →荻窪電話局荻窪高校前忍川橋荻窪四丁目
南荻窪一丁目 →大宮前体育館 →宮前公園春日神社宮前四丁目
宮前三丁目

荻窪小学校(現:大宮前体育館)

荻60宮前三丁目→荻窪駅

宮前三丁目都営宮前アパート宮前三郵便局西南荻窪二丁目大宮前体育館
南荻窪一丁目荻窪四丁目荻窪橋東電荻窪支社前 →荻窪駅南口

荻窪小学校(現:大宮前体育館)
荻窪四丁目(交換前)



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