関東バス路線解説
荻40「荻窪駅~立教女学院」(西荻窪駅経由)




荻40のC2306

荻40にて五日市街道を走行する"青梅街道"のC2306。
C2306 松庵稲荷前 2013.4.6
(Photo:Ajiwai)

■関東バス最古の部類に入る狭隘路線。


通称:立教線と呼ばれる荻40「荻窪駅~立教女学院」は、 現:関東バスの前身である昭和初期の進軍乗合自動車による「西荻窪駅~立教高女前」(立教高等女学校の略称)、 そして戦後間もない1946(昭和21)年1月15日より運行開始と記録のある昭和自動車商会時代の「荻窪駅~西荻窪」から始まる、 実に85年以上に渡り運行が続けられている関東バスでも最古の部類に入る路線である。

戦後に入り宅地開発が進められた京王井の頭線三鷹台駅付近の久我山・立教女学院エリアであるが、 井の頭線よりも都心へのアクセスが便利な旧国鉄中央線西荻窪駅へのルートとして発展、 周辺居住者の利用者が主な利用客層となっており長らく底硬い利用を維持してきた。 しかし長い年月の経過による沿線住民の高齢化により採算性が徐々に悪化、 ダイヤ改正毎にじわじわと運行回数が暫減しているところが気がかりな情勢である。

運行開始当初から1972(昭和47)年頃までは五日市街道営業所による管轄で、 以前は荻窪駅北口発着ではなく荻窪駅南口から荻71「荻窪駅南口~西荻窪駅南口;現廃止」の経路で西荻窪駅に至り、 そこからいわゆる「立教ループ」に入る経路となっていた。 その後青梅街道営業所の所管となったところで現在も見られる運行形態となった。

1972(昭和47)年に系統番号:荻40が付番されて以降、 30年以上に渡り大きな変化の見られなかった立教線:荻40であるが、 2005(平成17)年3月16日より荻31「荻窪駅~プロムナード荻窪」の運行が開始された以降は一体の運行形態へ変更されており、 かつて立教女学院へ運行されていた本数の約半数が、 プロムナード荻窪への運行に移行された状態となっている。

運行経路は西荻窪駅以南では一方通行の狭隘道路を走行、 立教女学院周辺では循環形状となっており、 一部では「立教ループ」とも呼ばれている。

西荻窪駅南口を出発した直後に左折そしてすぐに右折となるクランク状の部分や、 久我山付近で直角に右折する久我山四丁目交差点などは、 予め車両の特性に応じた位置取りをした上で決められた軌跡を描かないと曲がれない難所となっている。
こうした高度な運転技術を要するポイントを難なく通過できるといった、 熟練した運転手による絶妙なハンドル捌きを堪能できるこの路線は、 バスファンの間では大変人気がある。
ちなみに循環経路に入る松庵二丁目出発後に、 今までの立教女学院行きから行先変更が行われる。

使用車両については、 先述の通り西荻窪駅以南の住宅地を抜ける狭隘道路を走行することから、 古くから長尺の大型車が充当されることはなく、 青梅街道に所属の主力車であった旧2000代5000代, 5100代そして現代では 1400代などが充当されることはない。
また、過去には中型車である旧100代の116~118、 現在では 800代920代といった、 立教線の専用車が用意されているのがこの系統の特徴である。


専用車として荻40の主役を務めるのは中型の800代だが、
経年による世代交代が始まっている。

C801 四面道 2012.3.16
(Photo:Ajiwai)
ポストポスト新長期規制の強化に伴い800代が生産中止となり、
新たな専用車として920代が登場した。

C925 四面道 2017.9.10
(Photo:Ajiwai)
在りし日のC2002による荻40行先幕表示。
富士重+三菱+3扉車の希少車として知られる2000代の主な活躍路線は、
荻40だった。

C2002 青梅街道営業所 2011.7.23
(Photo:Ajiwai)
リア側の行先幕表示。

C2002 青梅街道営業所 2011.7.23
(Photo:Ajiwai)
C2002現役最後の週末、 2000代が走り親しんだ"立教ループ"を走行した
最後の日の姿。

C2002 久我山四丁目→立教女学院間 2011.8.6
(Photo:Ajiwai)

'11年12月15日より西荻窪駅→松庵二丁目間において、
西20の表示を彷彿させる「立教女学院」単独表示が見られるようになった。
狭隘道路で左折~右折クランクの"名所"に差し掛かる転属前のC1113。

C1113 西荻窪駅南口→大和通間 2012.1.22
(Photo:Ajiwai)
突然20年以上前の画像となるが、 3200代といった5E車で運用されていた頃の荻40画像。
荻窪駅北口の路上発着時代が既に懐かしくなってきた。

3272[青梅街道] 荻窪駅北口 1992
(画像提供:関前三丁目様)





荻40の運行について
(荻窪駅基準:H29.11.1改正)

運行回数

(H25.9.24改正)
平日57回, 土曜57回, 休日54回
始車:0645(平日), 0633(土曜), 0651(休日)
終車:2210(平日), 2218(土曜・休日)

(H29.11.1改正)
平日56回, 土曜43回, 休日42回
始車:0645(全日)
終車:2210(全日)


運行間隔

(H25.9.24改正)
朝(平日)11(11~20)分,(土曜)16分, (休日)20分
昼(平日)20(13~20)分,(土曜)18(15~18)分, (休日)17(15~17)分
夕(平日)16分,(土曜)17(15~17)分, (休日)17(17~18)分

(H29.11.1改正)
朝(平日)11(11~20)分,(土曜)20(20~26)分, (休日)26(20~26)分
昼(平日)20(15~20)分,(土曜)21分, (休日)21(20~21)分
夕(平日)16(14~16)分,(土曜)21分(21~28)分, (休日)21(21~28)分


※朝は7~9時台, 昼は10~16時台, 夕は17~19時台としています。
※運行間隔は最頻値、カッコ内は当該時間帯の最大・最小運行間隔を示しています。
※H25.2.17より「日祭」ダイヤは「休日」ダイヤへ呼称変更となりました。



荻40の出入庫路線

荻30「荻窪駅~青梅街道営業所」
「青梅街道営業所→立教女学院」(西20-1)
「立教女学院→青梅街道営業所」(西20-3)

荻40関連の詳細路線図はこちら


経由する停留所名

※リンクのある停留所名をクリックすると画像を見ることができます。
※同じ停留所でも立教女学院方面、荻窪駅方面で別画像に分けています。
※「上荻二丁目~荻窪警察署」間の停留所画像は、練馬急行様よりご提供頂きました。 この場をお借りして心より御礼申し上げます。


荻窪駅北口上荻一丁目四面道上荻二丁目八丁
荻窪警察署日産自動車前桃井四丁目西荻北五丁目西荻北三丁目
西荻窪駅北口西荻窪駅南口大和通松庵二丁目水道道路東
久我山久我山四丁目立教女学院

上荻二丁目(交換前)
荻窪警察署(交換前)

水道道路西松庵小学校前松庵松庵稲荷前松庵二丁目西荻南
→西荻窪駅北口 →西荻北三丁目西荻北五丁目桃井四丁目日産自動車前
荻窪警察署八丁上荻二丁目四面道荻窪駅北口



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