井荻駅付近の駅前商店街をすり抜けて現れた、 荻12で使用されていたかつてのC2101。 C2101 井荻駅 2014.1.8 (Photo:Ajiwai) ■関東・西武共に営業エリアの、異色の共管路線。荻12「荻窪駅~井荻駅」は、 運行開始の日時が手元資料では把握できないが昭和30年代には運行が開始されており、 井荻線の名称で西武バスと古くからの協定路線となっている系統である。 荻12の始祖は、 1950(昭和25)年10月15日より運行開始の「荻窪駅~豊島園」と見られ、 運行開始当初から西武バスと共同運行されているものと推測される。 1963(昭和38)年10月1日より荻窪駅~阿佐ヶ谷駅間を一部延伸、 「阿佐ヶ谷駅~井荻駅」としては1日10回運行されるようになったほか、 1963(昭和38)年に廃止となった都電杉並線の代替と考えられる、 荻窪駅からそのまま青梅街道を東進する「新宿西口~井荻駅」が1964(昭和39)年8月1日に誕生、 これも西武バスと共同運行のまま新宿駅に達した。 しかし、 青梅街道直下を走る旧営団地下鉄荻窪線(現東京メトロ丸ノ内線)とは元々競合することもあり、 1969(昭和44)年12月15日をもって早々に廃止、 「荻窪駅~豊島園」間の運行も同日限りで廃止となっており、 結果として現在の「荻窪駅~井荻駅」に落ち着いた。 現在維持されている他社との協定路線(共同管理路線)は、 たとえば関東バス・国際興業バス共同管理の池11「中野駅~池袋駅西口」のように、 主な営業エリアの異なる事業者がそれぞれの相手先に乗り入れる目的の路線が多いが、 荻12の場合は荻窪駅・井荻駅の両側共に関東バス・西武バスの主な営業エリアとなっており、 営業エリアが重なる事業者同士で共同管理する珍しい状態となっている。 関東バスの使用車両は、 かつて3扉車が活躍していた時代から長尺の 旧5000代, 5100代といった車種が使用されることは無かった。 近年使用実績の多い車種は 1200代, 2100代, 2200代で、 ワンステップで長尺の1400代や比較的新しい車種の 2400代は配車されないのが特徴だ。
■西武バスでは出入庫便の荻12-1が躍進。荻12の運行は、 関東バスと西武バスで約半数ずつが基本となっていたが、 近年の西武バスでは出入庫便として設定されている荻12-1「荻窪駅~南田中車庫」の運行比率が増え、 荻12単体の本数としては関東バス:西武バス=約5:1程度まで変化が生じている。西武新宿線をオーバーパスする環八通りの井荻陸橋が1996(平成8)年頃に供用開始となり、 その後1997(平成9)年4月の井荻トンネル供用開始に伴い井荻駅地上踏切が廃止となった以降、 井荻駅停留所の位置は環八通り内回りの陸橋側道上となり、 八成橋方面から来る場合は直接井荻駅に寄ることができなくなった。 このため、 出入庫便の荻12-1が陸橋の側道にある井荻駅に寄るには、 例えば南田中車庫行の場合、 一度下井草五丁目交差点を右折し、 井荻駅の商店街を抜けて井荻駅に停車後、 環八通りの内回り本線をワンブロック南下し、 交差点でUターンして井荻陸橋に戻るといった経路で迂回する必要が生じていた。 元々出入庫便のみで本数が少ない頃はこれでも良かったのかもしれないが、 育英高専跡地が大規模マンションに建て替えられ、 荻12-1の需要の高まりに応じて本数が増加すると次第にこの迂回措置が不便となり、 その結果2010(平成22)年3月6日のダイヤ改正時からは遂に井荻駅へ立ち寄ることを中止、 環八通りをそのまま通過するようになった。 現在では本系統の荻12よりも 荻12-1の方が運行回数が上回っており、 主従が逆転した状況となっている。 ■青梅街道最後の富士重車が走る道。2003(平成15)年に富士重工が車体架装事業から撤退してから早いもので約20年が経過、 かつて富士重工の車体採用にこだわり続けていた関東バスからも富士重工の車体を架装する車両はほぼ姿を消した。 2012(平成24)年7月に五日市街道から富士重の車両が全廃となったのに引き続き、 2013(平成25)年10月には青梅街道からも全てが消滅した。 青梅街道で最後の富士重車となったC1116「KL-UA272KAM」が晩年活躍した路線の一つが、 この荻12となっていた。 引退間近となっていたC1116が荻12で活躍した姿を、 ほんの一部であるがご覧頂こう。 ※以下の5点共に、練馬急行様より画像をご提供頂きました。 この場を借りて深く御礼申し上げます。 荻12の運行について (荻窪駅北口基準:2022.3.1現在) 運行回数 (2013.8.1改正) 関東バス運行分 平日46回, 土曜・休日45回 西武バス運行分 (荻12) 平日17回, 土曜・休日22回 (荻12-1)平日43回+深夜バス2回(2336,2355), 土曜・休日33回 始車:0644(平日),0647(土曜・休日) 終車:2355(平日),2242(土曜・休日)(荻12-1) (2022.2.1現在) 関東バス運行分 平日46回, 土曜・休日45回 西武バス運行分 (荻12) 平日10回, 土曜・休日9回 (荻12-1)平日56回+深夜バス2回(2340,2400), 土曜・休日49回 始車:0642(平日),0647(土曜・休日) 終車:2315(平日),2243(土曜・休日)(荻12-1) 運行間隔 (2013.8.1改正) 朝3~13分(平日), 7~16分(土曜・休日) 昼4~18分(平日), 6~18分(土曜・休日) 夕4~16分(平日), 4~18分(土曜・休日) (2022.3.1現在) 朝3~12分(平日), 8~17分(土曜・休日) 昼8~13分(平日), 5~18分(土曜・休日) 夕5~10分(平日), 4~13分(土曜・休日) ※朝は7~9時台, 昼は10~16時台, 夕は17~19時台としています。 ※運行間隔は当該時間帯の最大・最小運行間隔を示しています。 ※運行間隔は荻12-1も含めた数値です。 ※当ページにおいては、2011(平成23)年11月15日以前の記述については改称前の表記を、 現在の記述については改称後の表記をする方針としています。 ※H25.2.17より「日祭」ダイヤは「休日」ダイヤへ呼称変更となりました。 荻12の出入庫路線 荻30荻窪駅~青梅街道営業所 ※関東バスのみ運行 井荻駅~青梅街道営業所(荻12-1) ※関東バスのみ運行 荻12-1荻窪駅~南田中車庫 ※西武バスのみ運行 →荻12関連の詳細路線図はこちら 経由する停留所名 ※リンクのある停留所名をクリックすると画像を見ることができます。 ※同じ停留所でも井荻駅方面、荻窪駅方面で別画像に分けています。 ※「四面道~井荻駅」の停留所画像は、練馬急行様よりご提供頂きました。 この場をお借りして心より御礼申し上げます。 荻12荻窪駅→井荻駅 荻窪駅北口 →四面道 →清水一丁目 →清水二丁目 →清水三丁目 →下井草五丁目 →井荻駅 荻12井荻駅→荻窪駅 井荻駅 →井荻駅入口 →下井草五丁目 →清水三丁目 →清水二丁目 →清水一丁目 →四面道 →荻窪駅北口 | ||||||
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