新青梅街道で多く設置され、新青梅街道の特徴的な景観となっている歩道橋を走行する旧「なかのん」専用車。 一般路線化と前後して150代は撤退した。 A154 鷺ノ宮駅入口~鷺宮三丁目間 2012.10.20 (Photo:Ajiwai) ■厳しい運営の続く、旧中野区コミュニティバス。中野区は鷺宮・上鷺宮地区方面に細長い行政区域となっているが、 当該エリアの中野区民が行政サービスの中心地である中野駅方面へ出向くときには、 鉄道やバスを複数乗り継がないと到着できないといった交通不便地域を抱えていた。 そうした背景から中野区では、 1994(平成6)年から1999(平成11)年にかけて「バス交通対策検討委員会」を設置し、 鷺宮・上鷺宮地区を中心とした需要調査を行いバス路線新設について検討を続けてきた結果、 中野駅から鷺宮・上鷺宮地区への路線を開設することに決定した。 そして中野区はバス事業者である関東バスに対し、 車両購入費と運行経費などの一部を補助することで事業協定を結び、 2005(平成17)年11月30日より運行を開始したのが「なかのん」である。 運行開始までのプロセスや、 車両購入費と運行開始から3年間における運行経費の一部を中野区が補助した経緯から 「中野区コミュニティバス」を名乗ったが、 補助金投入も2008(平成20)年度で終了し、 現在では関東バスの他系統と同じ1路線と同じ扱いとなった点が、 他の自治体で運営されるコミュニティバスとは異なっている。 「なかのん」用車両は当初A154~A157「三菱エアロミディ:PA-ME17DF」の4台体制で運行が開始された。 その後、中野区による補助金投入が終了した2008(平成20)年度には、 11月29日に運行を開始した杉並区南北バス「すぎ丸かえで路線:西荻窪駅~久我山駅」の予備車としてA157を捻出、 「なかのん」専用車は3台体制とし、 検査等の場合は900代「KK-LR233J1改」により代走する方針となった。
その後はしばらく動きのなかった 「なかのん:中野駅~八成小学校」であるが、 運行開始当初から使用されている150代「PA-ME17DF」が投入後7年近くが経過したことから再生工事を行うことになり、 2012(平成24)年夏からA154を皮切りに順次車体更生工事が施工された。 そして入場に併せて「なかのん」専用塗装だったA154~A156はいずれも関東バスの一般塗装に変更、 「なかのん」専用塗装は2012(平成24)年11月に消滅となった。 今般の「なかのん」専用車に対する関東バス一般塗装への塗色変更は、 「なかのん」に対する中野区の補助金投入も2008(平成20)年度で終了し関東バスの通常路線扱いとなったこと、 予備車の共通化による運行の効率化、 更に後述するA→E154の転属に見られるように、 エアロミディ以外で車両代替が困難な路線への代走を可能にする目的があったと考えられる。 ダイヤ面では、 2008(平成20)年4月16日より利用実態に合わせた減便を伴うダイヤ改正を実施、 終日25分間隔で3台使用だったものを平日日中は30分間隔とし、 使用車両を2台に改めることで収支改善が図られた。 なお、この改正時には始車繰り上げと終車の繰り下げも行われ、 平日朝夕の運行間隔は25分、日中は30分(土曜・日祭は日中22分ヘッド)で、 平日朝夕と土曜・日祭の日中は従来通り3台が使用された。 その後2010(平成22)年11月16日より、 夜間の入庫3便が旧早稲田通り経由で入庫するルートのまま、 「八成小学校」の一つ先である「井草一丁目」まで客扱いをする方法に変更された。 2012(平成24)年4月2日からは、 警察大学校跡地の区画整理と再開発事業進捗に伴い、 従来の「区立体育館」経由から新道経由となる、 「中野四季の森公園」経由に変更された。 以上により、 運行開始から様々な変更を繰り返しながら運営の続けられていた「なかのん」であるが、 2013(平成25)年3月15日の阿佐谷管内ダイヤ改正により、 今後に多大な影響を与える大幅な変更が行われた。 3月15日改正により運行回数の大幅減回が行われ、 運行時間帯の大幅な縮減が行われたほか、 運行密度も1時間に1回の設定として終日の使用車両数が3→1台へ減車された。 大幅減便に先立ち、 2013(平成25)年2月には京王バス東と共管系統の 高45,新02「高円寺駅,新高円寺駅~永福町」用として、 A154が五日市街道へ転属しE154となった。 また、運行開始当初に公募で命名された「なかのん」の愛称についても、 現在は補助金投入が終了し通常系統として運用されている実態を周知したいという見解で、 関東バスから中野区に対して使用終了の申し出あり(※中野区議会の質疑応答による)、 愛称の使用が2013(平成25)年3月15日のダイヤ改正を期に終了となった。 その結果、 運行系統がK01「中野駅~八成小学校」、 そして入庫便がK02「中野駅→井草一丁目」ということになった。 その後、 2013(平成25)年8月6日にはダイヤが再度改正され、 終日1台使用の約60分ヘッドだったものが10~12時,15~17時台には2台使用の30分ヘッドに戻ったが、 「なかのん」開設時と比較すると運行回数が激減となり前途が厳しい状況に直面している。
「なかのん」(K01,K02)の運行について (中野駅基準:2005.11.30新設, 2013.3.15改正, 2013.8.6改正) 運行回数 平日25回,土曜・日祭24回(2012.11.16改正) ※井草一丁目行3回を含む 全日10回(2013.3.15改正) ※井草一丁目行1回を含む 全日16回(2013.8.6改正) ※井草一丁目行3回を含む 始車:0750(平日),0935(土曜・日祭)(2012.11.16改正) 始車:0755(2013.3.15改正) 始車:0745(2013.8.6改正) 終車:1920(平日),1850(土曜・日祭) ※井草一丁目行(2012.11.16改正) 終車:1610,1720 ※井草一丁目行(2013.3.15改正) 終車:1640,1750 ※井草一丁目行(2013.8.6改正) 運行間隔 (2012.11.16改正) 朝25分(平日)、30分(土曜・日祭) 昼30分(平日)、22分(土曜・日祭) 夕20~35分(平日)、29~45分(土曜・日祭) (2013.3.15改正) 朝70分 昼60分 夕1回のみ (2013.8.6改正) 朝50~75分 昼30~60分 夕2回のみ ※朝は7~9時台, 昼は10~16時台, 夕は17~19時台としています。 経由する停留所名 ※リンクのある停留所名をクリックすると画像を見ることができます。 ※同じ停留所でも八成小学校方面、中野駅方面で別画像に分けています。 ※「中野区役所,東京警察病院北門前~野方駅北口,武蔵丘高校入口~稔ヶ丘高校入口,井草一丁目」の停留所画像は、練馬急行様よりご提供頂きました。 この場をお借りして心より御礼申し上げます。 K01中野駅→八成小学校 中野駅北口 →中野区役所 →中野四季の森公園 →東京警察病院正門前 →東京警察病院北門前 →大新横丁 →大場通り →野方二丁目 →八幡前 →野方駅入口 →野方駅北口 →野方消防署 →鷺宮一丁目 →鷺宮二丁目 →都立家政入口 →鷺宮三丁目 →鷺ノ宮駅入口 →鷺宮四丁目 →武蔵丘高校入口 →武蔵丘高校 →武蔵台小学校 →北中野中学校 →稔ヶ丘高校 →稔ヶ丘高校入口 →八成小学校 K01八成小学校→中野駅 八成小学校 →井草一丁目 →稔ヶ丘高校入口 →稔ヶ丘高校 →北中野中学校 →武蔵台小学校 →武蔵丘高校 →武蔵丘高校入口 →鷺宮四丁目 →鷺ノ宮駅入口 →鷺宮三丁目 →都立家政入口 →鷺宮二丁目 →鷺宮一丁目 →野方消防署 →野方駅北口 →野方駅入口 →八幡前 →野方二丁目 →大場通り →大新横丁 →東京警察病院正門前 →中野四季の森公園 →中野区役所 →中野駅北口 | ||||||||
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