中28系統 | 関東バス・アーカイブス「味わい」路線解説

単独区間を走行する中28江古田駅行の姿。
D1120　江古田の森～江原町二丁目間　2012.5.18
(Photo:Ajiwai)

■江古田の杜プロジェクトを見届け、短命に終わった中28。

中28は、 2007(平成19)年4月1日より運行が開始された中27「中野駅～江古田の森」を基本に、江古田の森～江古田駅間を延長した形の新規開設路線で、いままで平日2回、土日1回の早朝のみ運行されている「丸山営業所→(江古田区民活動センター経由)→江古田の森」の単独区間（江古田区民活動センター～江古田の森間）を活用した形で、総合東京病院や江古田の森にある南東北福祉事業団施設から江古田駅方面へのアクセス手段確保のために2012(平成24)年5月16日に誕生した路線である。

中28は従前から運行されてきた中24,中27「中野駅～中村橋駅,江古田の森」の運行本数を吸収する形で本数が確保され、平日のみ1日46回の運行でスタートした。その後2012(平成24)年10月6日からは土曜・日祭の運行も開始されている。

今回の中28新設に際し、中野駅北口では駅改札により近い1番乗り場から発着としたことがポイントであろう。

現在中24,中27などが発着する2番乗り場は1番乗り場から信号を挟んで更に先にあり、駅からかなり遠い位置にあるために、2011(平成23)年9月16日の供用開始以降は従前と比べて非常に不便な状況が続いていた。 1番乗り場から発車した中28はその後2番乗り場でも客扱いを行うため、中野駅北口にて2回客扱いを行う特異なケースとなった。

ちなみに従来から2番乗り場発車となっている中20,中24,中27については、変更なく従来通り2番からのみの利用となっていた。中野駅では1番乗り場の発車頻度が上がったことにより、中野サンプラザ、中野区役所を周回して出発時刻の順序調整を行う回送車が目立つようになった。

一方江古田駅では、従来の中12「中野駅～(江原中野通り経由)～江古田駅」、中41「中野駅～(丸山営業所経由)～江古田駅」に加えて、中28の本数が増えることになったが、路上の待機スペースに余裕がないことから、中28は江古田の森で時間調整を行う運用となっており、主に江古田駅行きについて調整時間が多く確保されている。

途中停留所となる江古田の森における時間調整は、江古田駅での待機時間を削減する目的と思われるが、これは中野駅～江古田駅で通して利用するには所要時間が多くなるといったデメリットがある。しかし中野駅～江古田駅の通し利用の際に最も所要時間が短いのはそもそも中12のため、江古田の森を経由(迂回)して江古田駅まで通しての利用というのは想定していないダイヤ設定と見られる。ちなみに車内アナウンスでは、江古田の森で時間調整する場合がある旨の案内が随時行われていた。

車両のLED表示については、中野駅～江古田駅の系統は3種類（※深夜バスのみである中43「江古田駅→豊玉北経由→中野駅」を含めると4系統目）となっているが、そのうち中41についてはすでに系統番号が反転表示となっているために、他系統との誤乗防止のため、中28は系統番号,行先共に反転表示ということになった。この系統番号,行先の反転表示は江古田の森の手前にて系統番号,行先共に通常表示へ戻されていた。

	中28運行初日の姿。系統番号と行先が共に反転表示となった。 D1120　中野駅～新井中野通り間　2012.5.16 (Photo:Ajiwai)
	江古田の森で時間調整中の中28。この画像の通り「江古田の森」の次停留所案内時に通常表示に切り替えられる。 D7108　江古田の森　2012.5.18 (Photo:Ajiwai)
	中28運行初日、初便に充当されたD7007。 D7007　哲学堂下～蓮華寺下間　2012.5.16 (画像提供:AVE様) →「中28江古田駅」の前面表示。 →「中28江古田駅」のリア面表示。 →「中28中野駅」の前面表示。 →中28の側面表示。（画像提供,上記4点共：AVE様）

■中13と共に運行休止。

中28は、江古田の森周辺で進められ2018(平成30)年9月23日にまちびらきされた中野区最大級の複合開発プロジェクトである「江古田の杜プロジェクト」による需要増加を視野に、系統が新設された側面もある。

平日のみ運行でスタートした路線が2012(平成24)年10月1日には終日運行となり、一時期は中27の運行本数のうち大半が中28へ移行したが、まちびらきも一段落した2019(平成31)年4月16日のダイヤ改正では土曜・休日の設定が無くなり、中28の運行は平日朝のみに縮小された。そして2020(令和2)年3月16日ダイヤ改正では、とうとう運行休止に追い込まれた。※最終運行は3月13日

先述の通り、中野駅～江古田駅を通しで利用しようとすると、江古田の森経由で遠回りであることや、ダイヤによっては江古田の森で時間調整があることから、中野駅～江古田駅を通しで利用する乗客から敬遠されたことが考えられる。また、江古田の杜周辺の開発が一段落し利用実態が見えたことが要因として考えられる。

ただ気になる点として、あくまで「運行休止」と表現されていて「廃止」とは明言していないことから、今後の将来的な復活の可能性には含みを持たせた形となった。

	中野通りの桜並木を行く中28の姿。 2020年の開花宣言1日前に運行休止となった。 D7110　大下橋～下田橋間　2018.3.25 (Photo:Ajiwai)
	中28運行最終日、最終便を務めたのはD7107だった。 D7107　中野駅北口　2020.3.13 (画像提供：kbb12345様)

中28の運行について
（中野駅基準：H24.5.16新設,H24.10.1改正,H25.9.20改正）

運行回数

平日46回（H24.5.16運行開始時）, 38回（H25.9.20改正）

始車：0709（運行開始時）, 0708（H24.10.1改正）, 0722（H25.9.20改正）
終車：1944（運行開始時）, 1921（H25.9.20改正）

土曜・日祭34回（H24.10.6運行開始）, 25回（H25.9.20改正）

始車：0755（運行開始時）, 1056（H25.9.20改正）　
終車：1936（運行開始時）, 1840（H25.9.20改正）　

運行間隔

朝（平日）13(7～20)分、（土曜・日祭）36分
昼（平日）18(8～39)分、（土曜・日祭）33(8～36)分
夕（平日）18(18～28)分、（土曜・日祭）8(8～16)分

（H25.9.20改正）

朝（平日）17～40分、（土曜・休日）設定無し
昼（平日）20(15～20)分、（土曜・休日）20(15～48)分
夕（平日）15分、（土曜・休日）20分

（H31.4.16改正）

朝（平日）4回、（土曜・休日）設定無し

※朝は7～9時台, 昼は10～16時台, 夕は17～19時台としています。
※運行間隔は最頻値、カッコ内は当該時間帯の最大・最小運行間隔を示しています。
※H25.2.17より「日祭」ダイヤは「休日」ダイヤへ呼称変更となりました。

中28の出入庫路線

中20中野駅～丸山営業所
江古田駅～丸山営業所(中12-1)

→中28関連の詳細路線図はこちら

経由する停留所名

※リンクのある停留所名をクリックすると画像を見ることができます。
※同じ停留所でも江古田駅方面、中野駅方面で別画像に分けています。
※東橋～合同住宅前間の停留所画像は、練馬急行様よりご提供頂きました。
この場をお借りして心より御礼申し上げます。

中28中野駅→江古田駅

中野駅 →新井交差点南 →新井中野通り →北野神社 →新井小学校 →大下橋
→下田橋 →哲学堂下 →蓮華寺下 →江古田住宅 →東橋
→江古田三丁目 →合同住宅前 →総合東京病院 →江古田の森 →江原町二丁目
→新江古田駅 →江古田駅

中28江古田駅→中野駅

江古田駅 →新江古田駅 →江古田区民活動センター →江古田の森 →総合東京病院
→合同住宅前 →江古田三丁目 →東橋 →江古田住宅 →蓮華寺下
→哲学堂下 →下田橋 →大下橋 →新井小学校 →北野神社
→新井中野通り →中野区役所 →中野駅

合同住宅前（交換前）
東橋（交換前）

※当ページにおいては、2011(平成23)年11月15日以前の記述については改称前の表記を、現在の記述については改称後の表記をする方針としています。

関東バス路線解説 中28「中野駅～江古田駅」(江古田の森経由)

■江古田の杜プロジェクトを見届け、短命に終わった中28。

■中13と共に運行休止。

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中28「中野駅～江古田駅」(江古田の森経由)