関東バス路線解説
宿01「新宿駅西口~小滝橋」
宿01-1「小滝橋→新宿西口」(新宿駅西口経由)




関東バス宿01小滝橋行

丸山唯一の行先幕車であるD601が珍しく宿01に充当された時の姿。
宿01の運行開始にあわせてコマが追加された。 
D601 新宿駅西口 2013.7.10
(画像提供:ハーバーランド様)


■30年振りに復活の系統番号である宿01


宿01「新宿駅西口~小滝橋」は、 平日朝や深夜時間帯における宿02「新宿駅西口~丸山営業所」の途中折り返し系統として、 2013(平成25)年2月18日に新設された系統である。

宿01の運行形態は、 新設当初は6~8時台の宿02「新宿駅西口~丸山営業所」 の約半数を振り分けた形で新宿駅西口基準で5回を設定、 その他は2250発,2325発(深夜バス)が存在していたが、 後述するが2015(平成27)年3月23日改正により深夜バスは廃止、 宿01自体も平日2回のみへと縮小されている。

かつては宿01「新宿西口~上落合仲通」という系統で、 このたび新設されたのと全く同一の経路を走る系統が存在していたが、 1982(昭和57)年12月20日に一度廃止となっている過去があることから、 宿01は実質的には約30年振りに復活したことになる。

'82年に廃止された時のかつての宿01「新宿西口~上落合仲通」は、 小滝橋を到着後にそのまま直進して「上落合一丁目」を経由、 その先の上落合一丁目交差点を右折して終点の「上落合仲通」に至っていた。

ちなみに宿01の廃止後も1985(昭和60)年10月14日までは、 宿02丸山営業所方面のみが上記と同じ経路で「上落合仲通」を経由していたがこれも廃止となり、 小滝橋出発後すぐにある落合水再生センター南交差点を右折する現在の経路へと変更されている。

このたび新設された宿01「新宿駅西口~小滝橋」では、 小滝橋から先の上落合仲通付近は回送となっているが、 回送区間では'82年に廃止された当時と同じ経路を通過しているところが趣味的には特筆されよう。 実際には一部回送となり逆方向の経路となっている点が従前とは異なるが、 当時を知るファンにとっては往年の宿01を彷彿させるものとなった。

使用車両は700代,800代が中心だが、 '15年3月23日の減便ダイヤ改正以前は百01「高田馬場駅~東中野駅」専用車となっていた100代や、 百01の予備車的存在であった600代が使用されたことがある。 特に丸山最後の行先幕車として注目度が高まっていたD601が、 宿01のコマを追加したため時折使用されることがあったが、 D601は2016(平成28)年1月20日に除籍となってしまい、 今では姿を見ることはできなくなった。

百01専用車だった100代,600代が宿01を務める場面が見られた。

D102 新宿駅西口 2013.7.12
(Photo:Ajiwai)
宿01の運行開始に併せて、D601の幕にもコマが追加されていた。

D601 新宿広小路~新宿駅西口間 2013.7.10
(画像提供:ハーバーランド様)

→幕車:D601の宿01側面表示。
(画像提供:ハーバーランド様)
追加された「宿01小滝橋」表示で留置中のD601。

D601 丸山営業所 2013.5.18
(画像提供:ハーバーランド様)

小滝橋到着後、落合中央公園付近で時間調整を行う宿01

D102 小滝橋~落合中央公園間 2013.7.12
(Photo:Ajiwai)
かつての上落合仲通停留所付近で宿01回送車を待つ。
'82年の廃止前とは逆方向となったが、 同じ経路を関東バスが再び走っている。

D814 上落合仲通 2013.7.12
(Photo:Ajiwai)
早稲田通りへ左折し、小滝橋へと戻る。

D814 上落合一丁目交差点 2013.7.12
(Photo:Ajiwai)




■深夜バスは短命に終わる。そして「新宿西口」が復活。


系統新設当初の宿01の特徴として、 朝の時間帯における宿02に代わる定時運行確保の目的以外に、 22時台の運行と23時台の深夜バスが宿01新設と同時に設定されたことが挙げられる。

2250発の宿01をこなした車両が、 次に2325発として宿01深夜バスを担当、 そしてそのまま入庫の際に宿02深夜バスとして2400発に新宿駅西口を発車するダイヤが追加された。

この系統新設と同時に深夜バスが設定されるというのは、 いささか強気なダイヤ設定との見方もあるが、 深夜時間帯における運行を強化する意義としては、 深夜の需要増加への対応というよりは、 2013(平成25)年8月1日にスタートしている高速ツアーバスの路線バス化による運用上の不具合低減を意識していた。

国土交通省から2012(平成24)年11月に報道発表された 「高速ツアーバス等の高速乗合バスへの移行のための高速バス停留所調整ガイドライン」によると、 25分以上運行間隔が空く既存停留所については新規の発着枠が割り当てられるとあるが、 これは発着停留所不足が続いていた新宿駅周辺の、 既存停留所再活用のための狙い撃ちと見られてもおかしくない内容となっている。

このガイドラインに危機感を持った各事業者が、 拡大された運行時間帯の利用者がほとんど見られないにも関わらず深夜バスを新設する動きが相次いだが、 その流れで宿01深夜バス新設が行われたのではと推測される。

その後、新宿駅新南口のJR線路上空人工地盤部に「バスタ新宿」が新設され、 2016(平成28)年4月4日に供用開始されたが、 長距離・高速バスの発着容量がそこで確保されることを東京都は確認した。 そのため東京都は既存停留所の再活用を当面行わない方針を固めたことに関係し、 宿01深夜バスは廃止されたとみられる。

ちなみに「バスタ新宿」供用開始に伴い、 新宿中央通り(4号街路)上の三菱東京UFJ銀行前の夜行高速バス降車専用停留所(70番停留所) の権利維持が目的とみられる路線改変が2016(平成28)年1月25日に行われ、 宿01の1便について終点を新宿駅西口から70番停留所まで延長する措置が取られた。

この70番停留所名称は「新宿西口」を名乗り、 2011(平成23)年11月15日に一度消滅した名称が別の場所で復活、 車両の行先表示も「新宿西口」行となる「復活」がここでも見られた。


宿01は深夜にも通常便1回,深夜バス1回ずつ運行があった。
22時台に運行される通常便の最終バス。

D810 新宿駅西口 2013.2.19
(Photo:Ajiwai)
宿01最終便と同じ車両が宿01,宿02深夜バス運用も行っていたが、 全て廃止された。

D810 新宿駅西口 2013.2.19
(Photo:Ajiwai)

宿01深夜バスの前面表示。
宿01深夜バスのリア表示。
宿01深夜バスの側面表示。
夜行高速バス降車専用停留所の権利維持を目的とした、 宿01-1が16年1月25日より運行を開始、 「新宿西口」表示が復活した。

D810 新宿駅西口 2016.2.3
(Photo:Ajiwai)



宿01の運行について
(新宿駅西口基準:2016.1.25改正)

運行回数

(2013.2.18新設)
平日6回、深夜バス1回
0632,0704,0738,0750,0811,2250
2325(深夜バス)

(2015.3.23改正)
平日2回
0737,0816
※深夜バス廃止


宿01の関連路線

宿02「新宿駅西口~丸山営業所」(出入庫)

宿01-1「小滝橋→新宿西口(新宿駅西口経由)」

※小滝橋0752発→新宿駅西口0801発平日1回のみ 
(2016.1.25新設)

宿01関連の詳細路線図はこちら



経由する停留所名

※リンクのある停留所名をクリックすると画像を見ることができます。
※同じ停留所でも丸山営業所方面、新宿駅西口方面で別画像に分けています。
※「小滝橋,新宿消防署」の停留所画像は、練馬急行様よりご提供頂きました。
この場をお借りして心より御礼申し上げます。


宿01新宿駅西口→小滝橋

新宿駅西口新宿広小路南通り大久保駅新宿消防署小滝橋


宿01小滝橋→新宿駅西口

小滝橋新宿消防署大久保駅南通り新宿広小路新宿駅西口
→新宿西口(宿01-1のみ延長運転)



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