今回新設された大学線は、
7~9時台は高円寺駅では発着せず
大02「野方駅~東京警察病院正門前」にて折り返し運行され、
10時以降から18時台までは野方駅から東京警察病院正門前を経由して高円寺駅まで乗り入れる
大03「野方駅~(東京警察病院正門前)~高円寺駅」に切り替わる運行形態となった。
野方地域住民の間からは、
日中で10分間隔で運行されていた
高40「高円寺駅~野方(当時)」が2008(平成20)年9月15日をもって突然廃止となって以降、
路線復活の署名や要望書を関東バスや中野区へ提出していたが、
東京警察病院を経由することで速達性は期待できないものの、
野方から高円寺間が復活するという地域住民待望の路線新設となった。
運行初日,3月15日の営業第一便を務めたのは、
2013(平成25)年度にも除籍が噂されるA905「KK-LR233J1改」となった。
900代は野方駅に乗り入れている
宿05,中01「新宿駅西口,中野駅~野方駅」にはほとんど配車されることのない中型車のため、
野方駅と900代の組み合わせは今後の新たな風景となりそうだ。
また運行初日当日は、
いままで「なかのん」専用車として使用されてきたA156「PA-ME17DF」も充当され、
野方駅を1004に出発する
大03「野方駅~(東京警察病院正門前)~高円寺駅」の初便では、
高円寺駅への復活運行を記念して野方駅にてささやかながらの出発式が行われた。
その後は、
A156,A905に代わりA901,A358,A365といった中型車が充当され、
高円寺駅では阿佐谷に所属する中型車が見られるようになった。
また、
松ノ木線で使用される150代と、
大学線で使用される150代が並ぶ光景も初めて見られた。
今回の大学線運行開始に伴い、
2005(平成17)年11月30日に中野区コミュニティバス「なかのん」として運行を開始、
現在では関東バス単独運営路線となっていた
K01「中野駅~八成小学校」、
そしてその入庫便である
K02「中野駅→井草一丁目」が大幅に減便となり、
いままで1日3台使用の運用が1運用のみに削減、
運行間隔も日中で60分ヘッドへと削減された。
そしていままで旧「なかのん」で使用されていた車両の一部を
大02,大03へ移行、
そして日中の時間帯では大学線用として3台運用となっており、
結果として日中で1運用が増えている。
また今回のダイヤ改正を機に、
関東バスでは原則「なかのん」の愛称使用を廃止、
いままで主に社内資料として活用してきた系統番号
K01,K02を使用する方針とすることになった。
これは、
中野区による補助金投入が2008(平成20)年度に終了しているにも関わらず、
補助金投入路線である中野区コミュニティバスの印象を利用者に与えているため、
補助金投入が既に終了し関東バスの通常路線であることを周知する目的で、
愛称使用を中止する方針が関東バスから中野区側へ申し出されたことに伴う変更となっている。
こうして野方地域住民の期待も受けながら運行開始となった大学線であるが、
実は前途が厳しい状況である。
明治大学・帝京平成大学中野キャンパスの開学が2013(平成25)年4月であるため、
運行開始時点での学生利用が無いことは仕方ないが、
大学線と名乗っているにも関わらず、
明治大学・帝京平成大学敷地の近くに停留所新設は行われずに最寄りの停留所が「東京警察病院正門前」となっているため、
大学への通学用として利用されるかは完全に未知数である。
また、朝9時に開始となる1限に対応する7~9時台の登校時間帯では、
運行が野方駅側のみで西武新宿線野方駅と比較して利用者数で圧倒的に優位に立つJR中央線高円寺駅側での設定が無いことは、
今後の順調な利用者増加の支障にならないか老婆心ながら危惧されるところだ。
ともあれ、
今後の大学線発展に大いに期待したいところだ。
→営業第一便に使用され単独区間である新設道路を通過するA905。
(画像提供:AVE様)
→かつて高40,高41」が通った野方の陸橋を環七通りへ右折するA905。
(画像提供:練馬急行様)
→陸橋側道から環七通りに合流するA905。
(画像提供:AVE様)
→大03にて野方駅に現れたA156と宿05A1132の並び。
(Photo:Ajiwai)
→野方駅で出発式を行う大03の第一便、A156。
(Photo:Ajiwai)
→大03用として今までの待機用停留所から変更された0番停留所と、
高円寺駅に現れたA358。
(Photo:Ajiwai)
→高円寺駅南口では五日市街道と阿佐谷の150代が並ぶ姿が見られるようになった。
(Photo:Ajiwai)
→意外なことに150代では初登場となった「阿佐谷営業所」行。
(画像提供:練馬急行様)