車両解説：1200代(1261～1264) | 関東バス・アーカイブス「味わい」

三菱ふそうトラック・バスからのOEM供給であるUDトラックスのスペースランナーA。
関東バスで運行開始初日の姿。

E1262「LKG-AP37FK」
中野駅北口　2010.11.1
(Photo:Ajiwai)

■業界再編のなかで登場した希少車種。

2007(平成19)年から三菱ふそうトラック・バスと日産ディーゼル工業(現：UDトラックス)が業務提携を開始し、相互OEM供給体制を開始したことに関連して、日産ディーゼル工業は西日本車体工業への車体架装委託を2010(平成22)年8月末日をもって中止すると発表された。このため関東バスでは、2005(平成17)年から投入が続けられてきた1200代「スペースランナーRA：ADG-RA273KAN,PKG-RA274KAN」が1260まで投入されたところで生産打ち切りとなった。

2010(平成22)年9月1日から継続生産車に対しても適用となるポスト新長期規制強化へ対応するため、三菱ふそうトラック・バスのOEM供給を受ける形の「スペースランナーA：LKG-AP37系」が2010(平成22)年5月27日に発表されたが、関東バスでは2010(平成22)年10月22日にまずE1262「LKG-AP37FK」が五日市街道営業所に納車された。その後11月19日にはC1261,E1263が到着、そして12月8日にはC1264が登場し、関東バスでは計4台の陣容となっている。

外観は、三菱ふそう車であるC2211～C2214「PKG-MP35UKNF」とほぼ同様の外観で、三菱ふそうバス製造(MFBM)製のワンステップ車をベースとした車体構成のノンステップ車となっており、 C2211～C2214との外観の違いは、2200代では屋根上クーラー位置が前方にあるがこれが車体中央部にあること、中扉上に照明装置を設置、公式側後部にあるAdBlue投入口位置が従来より若干下方に移動しているなどとなっている。

一方、車内においては、中扉以降の座席3列分が混雑時対策のため1人掛けとなっており、中扉以降、最後部座席までの座席配置は、 1-1-1-2-5席となっているのが特徴である。ちなみにこの混雑時対策レイアウトで05年度国土交通省標準仕様の認定を受けている。

一方、大きく変更されたのは運転席で、アリソン製6速オートマチックトランスミッションとなっており、フィンガーコントロールシフトレバーが運転席から姿を消した。これはポスト新長期規制に適合させるためAT車とせざるを得なかった苦労が窺える。

また、メーター部中央にはマルチインフォメーションのディスプレーが装備され、車輌情報が全てこのメーター内にあるディスプレーに表示される点が特筆される。

関東バスでは新規投入が開始されたばかりの「スペースランナー A ノンステップバス」であるが、 2010(平成22)年10月29日には三菱ふそうトラック・バスとUDトラックスがバス事業統合を断念、相互OEM供給についても中止すると発表された。これに関連してUDトラックスはバス事業から撤退、「スペースランナー A ノンステップバス」は約5ヶ月間という販売期間の短さから、全国的にも希少車種となってしまった。

E1262は2010(平成22)年11月1日より中35,中36「中野駅～五日市街道営業所,吉祥寺駅」で営業運転を開始、その後投入されたE1263と合わせて荻54,荻53「荻窪駅南口～芦花公園駅,五日市街道営業所」や高60,高43「高円寺駅～練馬駅(豊玉中二丁目経由),練馬駅(豊玉南住宅経由),五日市街道営業所」で主に使用されている。

青梅街道営業所に導入されたC1261,C1264の2台は、荻11,荻31,荻40「荻窪駅～石神井公園駅,プロムナード荻窪,立教女学院」を除く各路線で使用されている。

	E1262 (リア,非公式側)　中野駅北口　2010.11.1 (Photo:Ajiwai)
	E1262のコックピット画像。 6速ATやその他計器類が大幅に変更されている。（画像提供：E3248様）
	E1262の計器類。マルチインフォメーション表示がメーター中央部に設けられ、乗用車の感覚に近くなった。（画像提供：E3248様）

DETAILS

E1262フロント正面
E1262リア正面
E1262サイドビュー（左側面）
E1262サイドビュー（右側面）

→1200代の車両配置表はこちら

関東バス型式解説 1200代(1261～1264)

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