福島交通1080,元関東バスE1010

元関東バス車両「その後」追跡調査

福島交通へ渡った関東バス車両



2008(平成20)年に関東バスから除籍となった車両2台の並びが見られた。 
画像の2台は共に2019(令和元)年の台風19号による冠水により、遭えなく除籍となった。

福島交通(左)「1095」元E1009,(右)「1098」元A211 郡山駅前 2017.4.22
(画像提供:C3408様)



今まで三菱車ばかりで埋め尽くされていた福島交通に2009(平成21)年、 関東バスから日産ディーゼル車である元1000代「KC-JP250NTN改」が突如移籍したことは、 大変意外な出来事であった。

そして関東バスからは元210代「KC-RP211GSN改」も移籍、 合計4台が福島交通へ移籍を果たし、 第二の活躍を開始した。

その後しばらく元関東バスの車両は投入されなかったが、 2016(平成28)年2月には元D804,D805,D807「KK-MJ26HF改」が福島交通旧平野車庫(福島高速バスターミナル)へ移動してきたことを確認、 その後翌17年には元C808,C809「KK-MJ27HL」も追加で移籍し、 転用改造を経て順次活躍を開始した。

このたびは福島交通へ渡った元関東バス車両の専用ページを制作、 更に2021(令和3)年5月1日現在の情報にアップデートを実施したので、 移籍後の姿をご確認頂けると幸いである。

※ご提供頂いた画像群は全て、公道上もしくは特別に許可を得て撮影を行ったものです。



■関東バスD804,D805,D807「KK-MJ26HF改」C808,C809「KK-MJ27HL」
→福島交通「672,2009,2022,8019,8022」


元関東バスD804,D805,D807 元神奈中、元西東京バスに挟まれるように並んだ。

(左から)元D807,D805,D804 福島交通旧平野車庫(福島高速バスターミナル) 2016.2.21
(画像提供:AVE様)
元関東バスD804,D805,D807リア 留置中の元800代3台。
周囲には元都営バスの車両も見られる。

(左から)元D804,D805,D807 福島交通旧平野車庫(福島高速バスターミナル) 2016.2.21
(画像提供:AVE様)
元関東バスC808 17年に入ると元D804,D805,D807の姿は無くなり、 代わりにC808,C809が留置されていた。

元C808 福島交通旧平野車庫(福島高速バスターミナル) 2017.4.16
(画像提供:C3408様)
元関東バスC809 C808の前にはC809も留置されていた。

元C809 福島交通旧平野車庫(福島高速バスターミナル) 2017.4.16
(画像提供:C3408様)


関東バスを2015(平成27)年12月に除籍となった
元800代「KK-MJ26HF改」初期車のD804,D805,D807が福島へ来ていたことが判明、 この3台が関東バスから7年振りの事業者間移籍となった。
その後元C808,C809の2台が追加で福島交通への移籍を果たし、 元800代は計5台の陣容となった。

元関東バスD805 17年度より福島交通での運用を開始した元800代。

福島交通「2009」元D805 郡山支社 2018.6.3
(画像提供:練馬急行様)


→元D805のリア画像。行先表示器や乗降中表示器が残されるなど形態に変化は無かった。
(画像提供:練馬急行様)
元関東バスD807 本格的に運用を開始した元D807。
中扉が大きく後方へ偏ったいわゆる「ダックスフント」の形態は健在だ。

福島交通「2022」元D807 郡山駅前 2019.4.5
(画像提供:練馬急行様)


→元D807のリア画像。
(画像提供:練馬急行様)
元関東バスC809 希望ナンバーを取得し、18年11月頃より運用を開始した元C809。
09年に移籍した元210代,元1000代等とは異なり、側面の行先表示器移設は行われなかった。

福島交通「8022」元C809 堂前町~堤下町(文化通り入口交差点) 2019.4.5
(画像提供:練馬急行様)


→元C809のリア画像。
(画像提供:練馬急行様)


関東バスから福島交通へ移籍した元800代5台について調査の結果、 判明した元社番は以下の通りとなっている。

D804→(いわき200か·6 72) 石川出張所
D805→(福島200か20-09) 須賀川営業所
D807→(福島200か20-22) 須賀川営業所
C808→(福島230あ80-19) 二本松営業所
C809→(福島230あ80-22) 須賀川営業所

移籍した5台は18年末までに全車が順次運用を開始した。


→関東バスから移籍した福島交通車両に関する皆様からの画像や情報を、引き続きお待ちしております。

DETAILS

元D805「2009」

→「2009」コックピット (画像提供:練馬急行様)
→「2009」車内(前方から) (画像提供:練馬急行様)
→「2009」車内(後方から) (画像提供:練馬急行様)



■関東バスE1009,E1010「KC-JP250NTN改」→福島交通「1098,1080」


福島交通「1098」(元関東バスE1009) 福島交通で活躍する「1098」は、 五日市街道所属の元E1009であることが判明した。
画像は前面に「NORUCA」ステッカーの付いた直近の姿。

福島交通「1098」元E1009 郡山支社 2017.4.15
(画像提供:C3408様)
福島交通「1098」(元関東バスE1009) 「1098」のリア姿。

福島交通「1098」元E1009 郡山支社 2017.4.29
(画像提供:C3408様)
福島交通「1080」(元関東バスE1010) 元E1010の福島交通「1080」。
こちらは福島支社に所属していたが19年に除籍された。

福島交通「1080」元E1010 福島駅東口 2014.3.31
(画像提供:AVE様)


関東バスでは1996~2008(平成8~20)年に活躍していた
元1000代「KC-JP250NTN改」のE1009,E1010が、 2009(平成21)年に福島交通にて活躍を開始していたことが判明した。

移籍した2台について現車調査の結果、 判明した元社番は以下の通りとなっている。

E1009→(福島200か10-98) 郡山支社
E1010→(福島200か10-80) 福島支社

外観は塗色変更はもちろん、 そして後部行先幕と側面の行先幕が後のり方式のために撤去された。
しかし代わりに、 中扉後部寄りの逆T字型窓の引き違い部分に小型の行先幕を新設されたため、 従前の窓配置により当該車両の出自が比較的容易に判別可能となっている。 その他は、前扉上に扉用照明の追加も行われた。

その後は2011(平成23)年3月の東日本大震災や同年9月の台風15号による郡山支社の冠水など、 厳しい災害に見舞われた後も活躍を続けていたが、 2019(令和元)年9月に福島支社に配置の元E1010「1080」が除籍となった。

「1080」が除籍された直後となる2019(令和元)年10月、 台風19号の襲来により関東地方から東北地方にかけて河川の大規模な氾濫や堤防の決壊が発生したが、 その際に郡山支社が水没し70台以上が水に浸かってしまった。 災害発生時に郡山支社に停泊していた元E1009「1098」と元A211「1095」は窓付近まで水に浸かり、 除籍となるという残念な事柄が起きている。 これら2台の除籍により、2009(平成21)年に移籍した4台は全廃となった。

→関東バスから移籍した福島交通車両に関する皆様からの画像や情報は、引き続きお待ちしております。


DETAILS

元E1009「1098」

→「1098」形式写真(フロント:移籍当初の姿) (画像提供:ATB MODELS様)
→「1098」フロント(正面) (画像提供:C3408様)
→「1098」リア(正面) (画像提供:C3408様)
→「1098」サイドビュー(左側面) (画像提供:ATB MODELS様)
→「1098」サイドビュー(右側面) (画像提供:C3408様)
→「1098」リア(右側面) (画像提供:ATB MODELS様)
→「1098」コックピット (画像提供:C3408様)
→「1098」車内(前方から) (画像提供:C3408様)
→「1098」車内(後方から) (画像提供:C3408様)
→「1098」側面行先表示幕 (画像提供:C3408様)


元E1010「1080」

→「1080」形式写真(フロント) (画像提供:B5101様)
→「1080」フロント(左側面) (画像提供:ATB MODELS様)
→「1080」リア(右側面) (画像提供:ATB MODELS様)
→「1080」サイド後方(左側面) (画像提供:AVE様)


■関東バスA211,D212「KC-RP211GSN改」→福島交通「1095,1082」


福島交通「1082」(元関東バスD212) 福島市内で精力的に運用をこなしていた「1082」は、元丸山のD212である。
今でこそ4メーカーが出揃ってるが、移籍当初は三菱車ばかりの中での富士重ボディで異彩を放っていた。
同車は19年に福島交通から除籍された。

「1082」福島駅東口 2010.7.31
(画像提供:B5101様)
福島交通「1095」(元関東バスA211) 元A211の福島交通「1095」。
こちらの画像は「NORUCA」標記の付いたごく最近の姿である。

「1095」郡山支社 2017.4.29
(画像提供:C3408様)


1996-97(平成8~9)年に導入された
元210代「KC-RP211GSN改」は、 大型短尺車ということもあり輸送力の問題から関東バスに所属していた時代から転属が相次いでいた型式である。

その後排出ガス規制強化に伴う使用可能最終日が設定され、 納車から丸13年を迎えた2008(平成20)年度には、 先輩である大型の3扉車が次々と延命試験を行う中で延命は行われず除籍が始まった。

そして2010(平成22)年3月1日に関東バスからは全て姿を消してしまい形式消滅となったが、 先述の元1000代「KC-JP250NTN改」と同様に2台が福島交通へ電撃移籍し、 各1台ずつが福島支社、郡山支社に常駐となり第二の活躍を開始したことは当時の話題となった。

移籍した2台について現車調査の結果、 種車は以下の通りとなっている。

A211→(福島200か10-95) 郡山支社
D212→(福島200か10-82) 福島支社

→種車特定に関する多くの情報ご提供をありがとうございました。

外観は塗色変更、後部と側面の行先幕が撤去された一方、 代わりに中扉の後寄りに小型の行先幕を設置、 前扉上に照明追加といった改修が行われている。
また元A211である郡山支社の「1095」については、 旧新宿バスロケシステムの車上子がそのまま残されているのが特徴だ。

このRP車については移籍当初から精力的に運用にこなす姿が見られ、 福島駅周辺や郡山駅周辺でそれぞれ活躍していたが、 2019(令和元)年9月には福島支社に配置されていた元D212「1082」が福島交通から除籍、 その後10月の台風19号による郡山支所の水没に巻き込まれた元A211「1095」が除籍となり、 結果として福島交通から全廃となった。


DETAILS

元A211「1095」

→「1095」形式写真(フロント:移籍当初の姿) (画像提供:ATB MODELS様)
→「1095」フロント(正面) (画像提供:C3408様)
→「1095」型式写真(リア) (画像提供:ak-3cp様)
→「1095」サイドビュー(左側面) (画像提供:ATB MODELS様)
→「1095」コックピット (画像提供:C3408様)
→「1095」車内(前方から) (画像提供:C3408様)
→「1095」車内(後方から) (画像提供:C3408様)


元D212「1082」

→「1082」型式写真(リア) (画像提供:AVE様)
→「1082」フロント(右側面) (画像提供:ATB MODELS様)
→「1082」リア(右側面) (画像提供:ATB MODELS様)
→「1082」リア面 (画像提供:AVE様)
→「1082」サイドビュー(右側面) (画像提供:AVE様)
→「1082」サイド後方(左側面) (画像提供:AVE様)

→「1082」サイドビュー(転用改造中、右側面)
→元D212の「1082」は福交整備福島工場で転用改造を受けた。
→「1082」リア(転用改造中、右側面)
→'09.10.24時点の転用改造中の姿。
→「1082」リア(左側面)
→'09.11.6には福島交通向けに塗装変更して再び姿を見せた。

(画像提供上記3点共:蔦乃 譲様)



(番外編)■ムーバス009(小田急バスC106)「KK-RX4JFEA」→福島交通「1385」


関東バスからの移籍車ではないが、 関東バスと共に小田急バスが運行受託しているムーバス車両から福島交通への移籍車も存在していた。

2000(平成12)年11月26日より小田急バスが受託して運行開始した、 武蔵境駅南口を発着する3号線(境南・西循環,境南・東循環)開業用として投入されたムーバス007~009 (小田急バスの社番はC104~C106)のうち元C106が、 2011(平成23)年度に福島交通へ移籍された。

行先表示器のLED化や福島交通で運行している路線バス全線・飯坂線で対応可能なICカード「NORUCA」にも対応し、 郡山駅に頻繁に姿を現していたが、 同車も2019(令和元)年10月の台風19号による郡山支所の大規模な冠水により車両が水没し、除籍となった。

福島交通「1385」(元小田急バスC106) 小田急バスに所属し、ムーバスで活躍してきた「1385」。
同車は19年10月に福島交通から除籍された。

「1385」郡山支社 2018.6.3
(画像提供:練馬急行様)
福島交通「1385」(元小田急バスC106)リア 福島交通「1385」のリア姿。

「1385」郡山支社 2017.4.15
(画像提供:C3408様)



元関東バスの福島交通

郡山支社 2016.4.2
(画像提供:C3408様)





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